3. 老後2000万円問題は解決できるのか
先ほどのデータより、65歳以上の無職世帯における平均貯蓄額は、2000万円を超えることがわかりました。
ここで数年前に話題となった「老後2000万円問題」を詳しく見ていきたいと思います。
金融審議会「市場ワーキンググループ」(第21回)厚生労働省提出資料より確認します。
3.1 【高齢夫婦無職世帯(夫65歳以上、妻60歳以上の夫婦のみの無職世帯)】
- 実収入(主に年金):20万9198円
- 実支出(主に食費):26万3718円
- 月々の赤字額=約約5万5000円
- 老後必要額=5万5000円×12ヵ月×30年(老後30年と仮定)=1980万円 ※約2000万円
これが「老後2000万円」の根拠でした。
3.2 老後2000万円問題の注意点
ただし、この計算式で注意したいことが3つあります。
- 介護費用が含まれていない
- 住居費が1万3656円で計算されている
- 収入と支出はひとそれぞれ
現在85歳以上の介護認定を受ける人の割合は、59.8%と非常に多いです。
入居時費用のある有料老人ホームに5年間入居した場合は、約2000万円が必要です。長生きリスクを考えると、介護費用は備えておいたほうが良さそうですね。
また、賃貸派の方は老後の生活費の中に家賃も含める必要があるでしょう。
さらに、ご自身がどのような老後を生活していきたいかによっても生活費が異なります。居住地や家族構成等も含め、「我が家の場合」でシミュレーションしてみましょう。