令和3年の平均寿命は、男性が81.47歳、女性が87.57歳でした。
一般的な年金開始年齢が65歳からですので、65歳から平均寿命まで、男性で約16年、女性で約22年あることになります。
一方、年金制度が開始された1961年(昭和36年)頃の平均寿命は、男性が65歳程度、女性が70歳程度でした。
60歳年金開始であっても、男性で約5年、女性で約10年だったのです。
年金制度開始時期と比べて平均寿命が伸びているため、年金制度が苦しくなるのは必然でしょう。
今の時代は、年金だけに頼らず自助努力が必要と言われています。
定年退職後も働く人もいれば、定年退職までにしっかりと貯蓄を備えている方もいます。そこで今回は、65歳以上の就業率と貯蓄額を見ていきましょう。
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1. 65歳以上の就業率とは
まずは60歳以降の就業率を見ていきます。
内閣府の「令和4年版高齢者社会白書(全体版)」によれば、60歳代の就業率を2002年と2020年で比較すると、以下のようになっています。
1.1 60~64歳で就業する割合
- 2011年:57.1%
- 2021年:71.5%
1.2 65~69歳で就業する割合
- 2011年:36.2%
- 2021年:50.3%
この20年で、働く60代が劇的に増えていることが分かります。
働きたくて働いているのか、それとも働かざるを得なくて働いているのかは、個人によって異なるでしょう。
働かざるを得ない主な理由は、経済的なものと考えられます。
そこで次に、65歳以上の方がどれほど資産を持っているのか見ていきましょう。