政府や自治体による給付金施策の際に、耳にする機会が多い住民税非課税世帯。住民税非課税世帯対象の給付といいながら、実際は高齢者へのバラマキと批判されることもありますね。
住民税非課税世帯は、納税項目の中でも比較的負担が大きな住民税が免除される他に、さまざまな恩恵を受けることができます。
本記事では、年金や給与がいくらまでなら非課税措置を受けることができるのかという点に焦点を当てて、自治体の一例をもとに概要を紹介しています。ぜひ参考にご確認ください。
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1. 住民税と住民税非課税世帯とは
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出所:umaruchan4678/shutterstock.com
住民税とは、自分が住んでいる自治体へ納める税金です。住民税は個人と法人に分けられますが、ここでは個人の住民税について説明します。
個人の住民税は、その年の1月1日に住所を置く都道府県や市町村へ前年の収入から算出した住民税を納付します。
納付金額の内訳は均等割と所得割です。均等割は所得による差はなく、全員が自治体の定めた定額を納めます。
所得割は、前年の所得に税率をかけて納付額を決定する方式です。したがって、年収による納付額の差がでます。
所得割の税率は自治体によって異なりますが、都道府県税4%、市町村民税6%と定めている自治体が多く見られます。
住民税には、所得割だけ非課税になるケースと均等割と所得割、両方とも非課税になるケースがあります。住民税非課税世帯は、世帯全員が非課税となった場合にのみ該当します。
2. 住民税非課税世帯に当てはまる要件
自分が住民税非課税に該当するか調べるには、住んでいる自治体のWEBサイトを確認するか、電話で聞くのがもっとも早い方法です。
大まかでも前年の所得が分かれば、すぐに判明します。
住民税が非課税になる要件は各自治体によってさまざまですが、東京都や横浜市の例を以下に紹介します。
2.1 均等割と所得割、双方とも非課税になるケース
- 生活保護を受けている
- 障がい者、未成年者、寡婦(夫)、ひとり親で、前年中の合計所得が135万円以下
2.2 均等割や所得割のみが非課税になるケース
前年の所得合計が市区町村の条例で定める金額以下になった場合において、均等割や所得割の非課税措置がとられます。
以下、計算式の一例です。
均等割が非課税になるケース
世帯内に配偶者や扶養親族がいる場合
- 35万円×本人を合わせた世帯人数+31万円の金額以下
所得割が非課税になるケース
世帯内に配偶者や扶養親族がいる場合
- 35万円×本人を合わせた世帯人数+42万円以下
単身世帯の場合は、計算式はなく、金額のみ定めている自治体が多いようです。
均等割と所得割、双方とも非課税となる場合は、合計所得金額、所得割だけ非課税となる場合、総所得金額をもとに決められます。
なお、合計所得金額とは、それぞれの所得を合算した金額のことを指し、総所得金額は、合計所得金額から純損失や雑損失等の繰越控除を適用したあとの金額のことを指します。
2.3 年金受給者が住民税非課税世帯となる要件
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年金受給者の住民税非課税要件は、勤労世帯とは別に設定されています。
金額は級地制度によって定められていますので、確認する場合は自治体のWEBサイトを確認するか、直接問い合わせると良いでしょう。
65歳以上の夫婦二人世帯の場合
- 1級地(大都市など)211万円以下
- 2級地(中核都市など)203万円以下
- 3級地(上記以外)193万円
65歳以上の単身世帯の場合
- 1級地(大都市など)155万円
- 2級地(中核都市など)152万円
- 3級地(上記以外)148万円
級地制度とは、自治体が生活保護による扶助を行う際に、地域ごとの物価、生活水準と生活保護の基準額を合わせるために作られた制度です。
規模の大きな都市であるほど水準は高く、地方になるほど水準は低く設定されています。
3. 住民税非課税世帯の割合
日本には住民税非課税措置として納税が免除される制度が用意されていますが、各自治体の定める水準を確認すると、住民税は簡単に免除してくれないようです。
少なくとも何らかの仕事をしている状態では、住民税非課税の対象となるのは難しいでしょう。
では、現在の日本で住民税が免除されている住民税非課税世帯は、どの程度存在するのでしょうか。
政府が毎年行っている国民生活基礎調査のデータから確認してみましょう。
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出所:厚生労働省「令和3年国民生活基礎調査」
表は令和3年国民生活基礎調査のデータベースよりダウンロードしたもので、調査は2021年に行われています。
一覧表によると、日本の総世帯数5142万に対して、住民税課税世帯は3924万、つまり非課税世帯は1218万世帯。おおよそ23%が住民税非課税世帯となっています。
約23%の中には年金受給世帯も含まれています。一覧表からも確認できますが、高齢世帯になるにしたがって、非課税世帯の割合が高まっており、勤労世代の住民税非課税世帯は少数とみて良いでしょう。
4. まとめ 住民税非課税世帯の要件は厳しい
住民税非課税世帯になると、自治体からいくつかの恩恵をうけることができます。しかし、要件は厳しく設定されており、勤労世帯で何かしらの仕事をしている状態では、住民税非課税世帯となるのは難しいでしょう。
国民生活基礎調査を見て分かるとおり、実際には年金を受給している高齢者が多くを占めます。
少子高齢化の社会背景を考えると、住民税非課税要件はあらためて一考の余地があるのではないでしょうか。
参考資料
LIMO編集部
