年の瀬が近づき、そろそろ定年退職を意識し始める方も増えているかもしれません。
まだ先のことと思いつつ、いつかは訪れる現役引退。その後の生活について、不安を抱えることが多いことが調査よりわかりました。
調査結果を紐解くとともに、有効な「老後の備え」を考えていきましょう。
- 退職金事情
- 老後の備えた資産形成の実情
- 現在の60歳代の貯蓄事情
にわけて解説します。
定年退職に関する調査でわかった老後不安
『Job総研』を運営する株式会社ライボは、565人の社会人男女を対象に「2022年 定年退職に関する調査」を実施しました。
まずは調査結果を見ていきましょう。
退職金の有無
1/5
出所:株式会社ライボ「2022年 定年退職に関する調査」
退職金の有無について、「ある」と回答したのは52.6%が、「ない」と回答したのは47.4%です。退職金がある方がやや優勢のようです。
その平均値は1005.3万円、中央値は600万円です。
退職後の不安項目
2/5
出所:株式会社ライボ「2022年 定年退職に関する調査」
定年退職後の不安について聞く項目では、「ある」と答えた人が75.6%と多数派に成りました。
とても不安:20.9%、
不安:20.4%
どちらかというと不安:34.3%
「ある」と回答した427人にどのような不安を持っているかについて聞いた結果、代表的な項目は次のとおりです。
自分の年金で生活ができるか不安:70.7%
年金が受け取れるか不安:58.5%
年金以外の資産が不安:46.8%
年金で生活できるのかに加え、そもそも年金が受け取れるのか不安に感じる人が半数以上にのぼるようです。
みんなは定年退職に向けて資産形成しているか
続いて同調査より、定年退職後に向けた資産形成の現状をみていきましょう。
資産形成の有無
3/5
出所:株式会社ライボ「2022年 定年退職に関する調査」
資産形成については、半数を超える54.7%がすでに実施しているようです。
資産形成の内訳は以下のとおりです。
- 投資:64.4%
- 資産運用:61.2%
- 毎月貯金:47.9%
- 個人年金:31.7%
- 保険:31.1%
資産形成の有無(年収・年代別)
続いて年収や年代別にも確認してみましょう。
4/5
出所:株式会社ライボ「2022年 定年退職に関する調査」
年収200~400万円では34.8%しか老後に向けた資産形成をしていませんが、400~600万円では63.0%に上昇。
600~800万円で76.2%にあがり、その後も70%台で上昇を続けています。年収が高いほど、老後の備えができていることがわかりました。
また年代別に見ると、20代でも42.3%がすでに資産形成を行っていることがわかります。30代がもっとも多く68.8%。その後は年代を追うごとに若干減少していきます。
若い世代ほど、公的年金に頼らず自分で備える意識が高いのかもしれません。
定年退職後の資産目標額
では、定年退職後の資産として目標となる金額はいくらぐらいなのでしょうか。
5/5
出所:株式会社ライボ「2022年 定年退職に関する調査」
平均額は「3956.4万円」で中央値は「2500万円」という結果になりました。
もっとも多いのが「3000万円以上」の43.4%です。ただし、現実的に形成できそうな見込額は平均額で「789.1万円」、中央値で「500万円」。理想と現実に差が生じているようです。
今の60歳代はいくらの貯蓄を保有しているのか
では、定年退職を迎える人の多い現在の60歳代は、実際にいくらぐらいの貯蓄を保有しているのでしょうか。
金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査](令和3年)各種分類別データ」によると、貯蓄額の平均は2427万円、中央値は810万円でした。
こちらは金融資産を保有していない世帯を含む調査であり、実際に貯蓄ゼロという世帯も19.0%含まれています。
理想とされる3000万円以上を達成する割合は、22.8%にとどまることがわかりました。
今の60歳代といえば、バブル期を現役時代として謳歌できた方も多いです。とはいえ、約2割は貯蓄ゼロとなっているようです。
世帯によって支出の状況は異なりますが、退職金がない方、晩婚晩産で教育費が遅くまでかかる方など、さまざまな事情で老後資金が不十分になる方はいると予想できます。
各自にあった老後対策を
「2022年 定年退職に関する調査」から、現役時代が老後に抱える不安、資産形成の現状を見ていきました。
年収や年代によっても現状は異なるようです。しかし、公的年金が減少傾向にある今、老後の対策は誰にとっても必要な課題だと言えるでしょう。
今の60歳でも老後資金が不十分という方は一定数います。今後の人生を見据えると、長期間をかけた資産形成が必要でしょう。
今はつみたてNISAやiDeCoなど、節税しながら老後資金を貯める方法もあります。一定のリスクがあるため、各自のリスク許容度に応じた方法で老後の備えを始めていきましょう。
参考資料
太田 彩子
