人事院は2026年9月4日、「令和8年国家公務員給与等実態調査」の結果を公表しました。令和8年4月1日現在の人員と給与の実態をまとめた調査です。

このうち第9表には、手当の種目ごとに何人が受け取っているかが載っています。俸給表の適用人員24万8729人に対して、地域手当は20万8795人でした。

公務員の給与というと俸給表の額に目が向きがちですが、手当がどれだけ付いているかは種目ごとに変わります。この記事では、手当の種目別の受給人員と、平均給与月額に占める手当の額を見ていきましょう。

1. 国家公務員の手当は、種目によって受給人員が大きく違う

人事院の第9表は、手当の種目別の受給人員を俸給表ごとにまとめた表です。まずは全俸給表を合わせた数字から確認します。

1.1 受給人員がいちばん多いのは地域手当の20万8795人

俸給表の適用人員は24万8729人です。このうち地域手当を受けているのは20万8795人で、割合にすると83.9%にあたります。

次に多いのが通勤手当の19万9807人で、80.3%です。この2つだけが8割を超えていました。

1.2 扶養手当は8万6177人、住居手当は7万1837人

扶養手当の受給人員は8万6177人で、適用人員の34.6%です。3人に1人強という水準になります。

住居手当は7万1837人で28.9%でした。本府省業務調整手当は4万6716人、俸給の特別調整額は4万2302人と続きます。

1.3 受給人員が1%台にとどまる手当もある

広域異動手当は3万6701人、寒冷地手当は2万3160人、単身赴任手当は1万6833人でした。

一方で特地勤務手当は2871人で1.2%、第一種初任給調整手当は694人で0.3%です。手当という言葉でひとまとめにできないほど、対象になる人数には幅があります。

手当の種目ごと・受給人員と俸給表適用人員24万8729人に対する割合1/2

手当の種目ごと・受給人員と俸給表適用人員24万8729人に対する割合

出所:人事院「令和8年国家公務員給与等実態調査報告書」を参考にLIMO編集部作成

2. 手当の受給人員は、適用される俸給表によっても偏りがある

第9表は俸給表ごとの内訳も示しています。同じ手当でも、どの俸給表が適用されるかで受けている人の割合が変わります。

2.1 行政職俸給表(一)では13万9564人のうち扶養手当が4万4951人

国家公務員のなかで人数が最も多いのが行政職俸給表(一)で、13万9564人が適用されています。このうち扶養手当を受けているのは4万4951人で、32.2%でした。

住居手当は4万3777人で31.4%です。全俸給表の割合とほぼ同じ水準にとどまりました。

2.2 公安職俸給表(一)では扶養手当が約半数にのぼる

公安職俸給表(一)は2万2043人が適用され、扶養手当の受給人員は1万930人でした。割合は49.6%で、全俸給表の34.6%を大きく上回ります。

平均給与月額の内訳を見ると、公安職俸給表(一)の扶養手当は1万3596円です。主な俸給表のなかでは最も高い額になっていました。

2.3 指定職俸給表では扶養手当の欄が空欄になっている

指定職俸給表が適用される977人については、扶養手当の受給人員が計上されていません。

人事院の資料では、行政職俸給表(一)9級以上の職員等には扶養手当が支給されない場合があるとされています。役職の段階によって、手当そのものの対象から外れる仕組みがあります。

3. 平均給与月額43万9356円のうち、手当にあたるのは8万3099円

受給人員とあわせて見ておきたいのが、実際の金額です。同じ調査は平均給与月額の内訳も示しています。

3.1 内訳でいちばん大きいのは地域手当等の4万5518円

全俸給表の平均給与月額は43万9356円です。このうち俸給が35万6257円を占め、残りの8万3099円が手当にあたります。

手当のうち最も大きいのが地域手当等の4万5518円で、俸給の特別調整額が1万1889円と続きました。

3.2 扶養手当8653円と住居手当7519円は「全職員で割った平均」

内訳の扶養手当は8653円、住居手当は7519円です。ただしこれは受給していない人も含めた全職員で割った平均額です。

受給人員で割り直すと、扶養手当は1人あたり約2万5000円、住居手当は約2万6000円という計算になります。平均額をそのまま自分の手当の見込みと重ねると、実態から離れてしまいます。

平均給与月額43万9356円を、俸給と手当に分けて内訳を示しました。2/2

平均給与月額43万9356円を、俸給と手当に分けて内訳を示しました。

出所:人事院「令和8年国家公務員給与等実態調査報告書」を参考にLIMO編集部作成

太田 彩子

自治体で国民健康保険と後期高齢者医療の保険料計算を担当していた頃、給与明細のどこまでが保険料の対象になるのかという質問をよく受けました。手当を含めた前年の給与が計算のもとになる点は、退職を控えた方にこそ確かめておいてほしいところです。