4. 国家公務員の手当の一覧は「受け取っている人が何人か」から見ると読み違えにくい

手当の一覧表を見るとき、先に金額の欄へ目が行きます。ただ、その手当を実際に受けている人がどれくらいいるのかを押さえてからのほうが、数字の意味がつかみやすくなります。

4.1 受給人員と平均額は別のものとして読む

第9表が示しているのは人数で、金額は別の表にあります。この2つを混ぜると、全員が同じ手当を受けているように読めてしまいます。

たとえば特地勤務手当の対象は2871人です。金額の一覧に載っていても、大多数の職員には関係のない手当だとわかります。

4.2 俸給表ごとの内訳まで見ると、勤務の中身の違いが見えてくる

公安職俸給表(一)で扶養手当の割合が高いことや、指定職俸給表で欄が空欄になっていることは、全俸給表の合計だけでは見えません。

気になる俸給表があれば、第9表の該当行まで下りて確かめると、自分に近い区分の姿がつかめます。

5. 退職して国民健康保険に移るときは、手当を含めた前年の給与が保険料のもとになる

在職中の公務員は共済組合の組合員で、国民健康保険の被保険者ではありません。ただ、退職して再就職しない場合は国民健康保険へ移ることになります。

5.1 国民健康保険料は前年の所得をもとに計算する

国民健康保険料のうち所得割は、前年の所得を計算のもとにします。退職した年に収入がなくても、前年の給与で保険料が決まる仕組みです。

給与収入には手当も含まれます。地域手当や扶養手当が付いていた分だけ、退職後最初の年の保険料は高めに出ることになります。

5.2 窓口では計算の根拠を聞かれることが多かった

自治体で保険料の計算を担当していた頃、「退職したのに保険料が高い」という相談をよく受けてきました。前年の所得を使う仕組みを説明すると、納得される方が多かったと記憶しています。

2年目からは前年の所得が下がるため、保険料も下がります。高いのは最初の1年だけという見通しが立つと、受け止め方が変わってきました。

なお、任意継続という選択肢もあります。

5.3 保険料の負担が重いときは、住まいの役場の窓口で相談できる

保険料の納付が難しい場合、分割や分納の相談を受け付けている自治体があります。要件を満たせば減免の対象になることもあります。

ただし国民健康保険料の減免は、どの世帯でも自動的に適用されるものではありません。判定の基準や必要な書類は保険者ごとに案内が異なるため、住まいの市区町村役場の国民健康保険の担当窓口で確かめておくと安心です。

6. まとめにかえて

人事院の令和8年調査では、地域手当が20万8795人、通勤手当が19万9807人と、8割を超える職員が受けている手当がある一方で、1%台にとどまる手当もありました。

平均給与月額43万9356円のうち手当にあたるのは8万3099円ですが、扶養手当8653円と住居手当7519円は受給していない人も含めた平均です。

公表された数字は、まず自分がどの区分にあたるのかを確かめる材料になります。給与や退職後の保険料で気になることがあれば、勤務先の給与担当や住まいの役場の窓口で聞いてみてください。

参考資料

太田 彩子