生前の相続対策として信託制度が注目されています。

信託には、信託銀行や信託会社が営利目的で行う商事信託と、家族や親しい人に財産を託す非営利目的の家族信託があります。

信託可能な財産の種類は、預貯金・現金、不動産、有価証券などです。

本記事では、特に不動産を信託財産とした家族信託の活用方法をお伝えします。

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1. そもそも家族信託とは

家族信託とは、自分の財産の管理、運用、処分などの一切を信頼する家族にお任せすること。

認知症や病気などで意思の疎通ができなくなると、お金の管理はもとより自宅不動産の管理も困難になる可能性があります。たとえば介護施設へ入居するために自宅を処分したくてもできないということになりかねません。

しかし、家族信託制度を利用して、財産を信頼できる家族へ信託しておけば、本来は本人の同意が必要な不動産の処分行為や契約行為も、信託された家族が代わって行うことが可能になります。