【家族信託】生前の相続対策に「不動産」を信託財産にするメリット・デメリット

2. 家族信託の仕組み

まず、家族信託の仕組みについて解説します。

家族信託には３つの役割があります。

財産を預ける人。

財産の所有者であり、信託契約により財産を託します。

財産を預かる人。

委託者から財産を預かり、管理、運用、処分を委託者に代わって行います。

利益を受ける人。

受託者が財産の管理、運用、処分などを行うことで利益を受けます。委託者＝受益者となることもあります。

次に、家族信託契約の流れを説明します。

家族信託契約はおおむね、次の流れで行われます。

信託する財産の内容、誰に信託するのか、財産を将来的にどうしてほしいのか、などを決めます。

内容が決まったら、「信託契約書」を作成します。

契約内容に疑問や不安があったら、この時点で解消するようにしましょう。

信託契約書を基に公正証書を作成します。

公正証書は必須ではありませんが、合意した「信託契約書」の内容が後に家族間のもめ事に発展することもありますので、より円滑に家族信託を運用するために、公正証書を作成しておいたほうが安心です。

信託内容に沿って不動産の名義を受託者に変更します。また、信託財産に金銭がある場合には信託口座を開設します。

なお、信託口座は開設できる金融機関が限られていますので、事前の確認が必要です。