11月も中旬が過ぎ、そろそろ年末が近づいて来ました。
食品を中心として物価の上昇はまだまだ落ち着く兆しが見えず、ただでさえ物入りな年末に、家計のやりくりに頭を悩ませてしまうのではないでしょうか。
お金の悩みはつきませんが、「年金」というお金についても考えておく必要があります。
誰もが受け取れると思われる年金ですが、その申請や受け取り方法は意外に複雑なものです。受給開始年齢も、実は男女で異なることはあまり知られていません。
今回は、厚生年金と国民年金について、受給する前に知っておくべき知識についてご紹介します。
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1. 国民年金と厚生年金、受給できるのは何歳から?男女で異なるワケ
2000(平成12)年の法律改正で、老齢厚生年金の支給開始年齢がそれまでの60歳から65歳に引き上げられることとなりました。
現在は引き上げの真っ只中。男性は2013(平成25)年度から2025(令和7)年度にかけて、女性は2018(平成30)年度から2030(令和12)年度にかけて行われます。
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出所:厚生労働省「50~60代のみなさんへ」
男女で異なる背景には、当時の雇用状況を踏まえて支給開始年齢が5歳低く設定されていたという過去の経緯があります。
65歳になるまでは上記の「特別支給の老齢厚生年金」が支給され、65歳からは通常の老齢厚生年金を受給することになります。
また、国民年金(老齢基礎年金)の受給開始年齢は原則65歳からとなっています。
2. 60~75歳の間で受給開始を選ぶことも可能
基本的には65歳からの受給となる国民年金・厚生年金ですが、実は開始年齢を60~75歳の間で選ぶこともできます。
このとき、年金額も変わります。
2.1 65歳より前に受給する繰上げ受給
65歳よりも前に年金受給を早めたい場合、「繰上げ受給」を選択することができます。
このとき、1ヵ月早めるごとに0.4%年金が減額されることに注意しましょう。
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出所:日本年金機構「年金の繰上げ受給」
繰上げ請求書を提出した時点で減額率が決まります。受給権発生後に繰上げ請求を取り消したり変更したりすることはできません。
また、65歳になっても本来の金額に戻ることはなく、減額は一生続くことになります。
2.2 65歳より後に受給する繰下げ受給
反対に、66歳以降に受給することで年金額をアップさせることもできます。これを年金の繰下げ受給といいます。
繰上げ受給と違い、老齢基礎年金と老齢厚生年金は別々に繰り下げすることができます。
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出所:日本年金機構「年金の繰上げ受給」
最大の75歳まで繰下げた場合、増額率は84%にもなります。年金が少ない方にとっては、受給開始の時期も慎重に判断したいポイントです。
3. 年金の受給には請求が必要
上記の繰上げ受給や繰下げ受給をするには、それぞれ手続きが必要です。
また、これらの制度を利用せず本来の年齢で受給したいと思う選ぶ場合であっても、年金の請求が必要となります。
3.1 特別支給の老齢厚生年金
例えば冒頭にご紹介した「特別支給の老齢厚生年金」の対象者になる場合、受給開始年齢に到達する3カ月前に、「年金請求書(事前送付用)」と「年金の請求手続きのご案内」が日本年金機構より送付されます。
こちらには基礎年金番号、氏名、生年月日、性別、住所および年金加入記録が印字されているため、間違いがないか確認しましょう。
請求書が提出できるのは、受給権が発生してからです。この場合は受給開始年齢に到達した日=誕生日の前日となるため、それより前に提出できない点に注意しましょう。
なお、特別支給の老齢厚生年金には「繰下げ制度」がないため、受給権発生日以降に速やかに請求します。
3.2 老齢年金
65歳の誕生日を迎える3ヵ月前に、年金請求に必要な「年金請求書(事前送付用)」および「年金の請求手続きのご案内」が日本年金機構から送付されます
ただし、共済組合に加入していた方には共済組合から送付されることがあります。
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出所:日本年金機構「老齢年金請求書の事前送付」
特別支給の老齢厚生年金を受給している方でも、年金請求書での手続きが必要になります。
4. 今から考える年金生活のこと
いずれはやってくる老後に向けて、なんとなく老後資金の準備を始めている方も多いでしょう。
貯蓄も重要ですが、同じように大事になるのが年金です。まずは請求の漏れがないよう、その手続きをしっかり予習しておきましょう。
年金の繰上げ受給や繰下げ受給には、それぞれメリットとデメリットがあります。注意点を客観的に見ることで、「自分にとってのベスト」な年金を受け取れるようにしましょう。
参考資料
- 日本年金機構「年金の繰上げ受給」
- 日本年金機構「年金の繰下げ受給」
- 日本年金機構「老齢年金請求書の事前送付」
- 厚生労働省「50~60代のみなさんへ」
太田 彩子
