子育て支援に見る所得制限5.大学無償化

大学無償化と呼ばれる「高等教育の修学支援新制度」の対象となる年収基準はかなり低く、住民税非課税世帯およびそれに準ずる世帯が「授業料減免」と「給付型奨学金」の支援を受けられます。

基準を満たす世帯年収は家族構成や構成員の年齢などにより異なり、一番高い年収でも約460万円となります。

年収1000万円はもとより、年収500万円でも大学無償化の対象とはなりません。

年収1000万円の子育て世帯は損?

ここまで子育て関連の制度を見てきましたが、年収1000万円は、児童手当は特別給付の5000円、小児医療費助成は自治体によっては足切りなる可能性があります。

また、保育料は所得に応じて決められるため高額になり、高校の授業料無償化は受けられない可能性が高く、大学無償化も対象とはなりません。

年収1000万円世帯は税金はたくさん払っているのに、支援は受けられない、損な世帯と言っても間違いではないでしょう。

子育てには多くの費用がかかります。特に教育費は1人あたり1000万円以上かかると言われています。子どもが2人、3人と増えれば、家計への負担は相当なものでしょう。

一般的に高所得とされる年収1000万円でも決して楽ではありません。

少子化を食い止めるためにも、子育てをすることがペナルティにならないように、子育て世代には恩恵が与えられるような制度作りが必要だと思うのですが、そうはなっていないのが残念なところです。

参考資料

石倉 博子