2022年4月以降、消費者物価指数(生鮮食品を除く総合指数)は前年同月比2%を超えています。物価が上昇すると金利も上昇局面となるのが一般的ですが、変動金利は上昇しないままであるのが現状です。

そこで今回は、不動産購入と金利について解説します。住宅ローンの金利が変動する仕組みや金利動向についても解説しますので、不動産の購入を検討している人は、ぜひ参考にしてみてください。

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1. 住宅ローンの金利が変動する仕組み

住宅ローンの金利は、金利タイプによって変動する仕組みが異なります。たとえば変動金利は、「短期プライムレート」が基準とされています。

短期プライムレートとは、金融機関が企業に貸し出す際の最優遇の金利のうち、1年以内の短期貸出の金利のこと。つまり、金融機関からの信用度が高い企業への貸出金利だといえます。

短期プライムレートは日本銀行のWebサイトで最頻値・最高値・最低値を確認することが可能です。
https://www.boj.or.jp/statistics/dl/loan/prime/prime.htm/

短期プライムレートは日本銀行が金融市場を調整する際に用いる「政策金利」に連動しています。景気が良くなれば金利を上げる、景気が悪くなれば金利を下げるといったように調整して、景気の安定を図っているのです。

したがって、住宅ローンの変動金利は景気の動向や物価の動きに左右されやすいといえるでしょう。

ちなみに、住宅ローンの固定金利期間選択型は変動金利と固定金利の円金利を取引(交換)する「円金利スワップレート」、長期固定金利型は新発10年国債利回りに代表される「長期金利」が基準とされています。

円金利スワップレートは長期金利と同じ動きをする傾向にあることも特徴の1つ。国債に投資する人は将来を予想して取引を行うため、長期金利の場合は現状だけでなく将来の予想も反映されやすいといえるでしょう。そのため、将来的にインフレになると予想されれば、実際にインフレになる前から長期金利が上昇するケースもあり得ます。