2.2 物価が上昇しても変動金利が上昇しない理由

2022年4月、消費者物価指数(生鮮食品を除く総合指数)は前年同月比2%を超えました。かねて日本銀行が目標としていた「物価安定」は実現したことになりますが、金融緩和政策を維持する意向が示されています。

そのため、物価は上昇しても変動金利は上昇しない状態が続いているのです。

上記のグラフは住宅金融支援機構が公開している主要都市銀行のHP等により集計した金利(中央値)の推移をあらわしたものです。固定金利期間選択型は動きがあるものの、変動金利は横ばいが続いていることが読み取れます。

金融緩和を維持して長期金利の上昇を抑制する政策が続く見込みであることから、変動金利は当面の間は低い水準を推移していくと考えられるでしょう。

しかし、今後も現在の金融政策が維持されるとは限りません。物価が上昇し続けるなどの条件によっては、金融緩和政策を縮小もしくは引き締めに転じる可能性も考えられます。

変動金利は景気や物価の影響を受けやすいため、今後も経済情勢をチェックしながら借り入れや返済方法などの判断をしていくとよいでしょう。