政府は、0歳から2歳のいる世帯や妊娠した女性に向けて、育児用品などを購入できるクーポンを発行するなどの子育て支援を行う方針を固めたと各種メディアで報じられました。
一方で、子育ては出産や赤ちゃん用品にかかる費用以外に、学用品や給食費、大学費用など長期にわたり多大な費用がかかるもの。
乳幼児向けの支援は有難い一方で、少子高齢化の今、長期的な支援の必要性を問う声も挙がっています。
子育てにかかる費用として最も意識するのが「大学費用」でしょう。大学の授業料の推移をみると、ここ30年で上昇しているのがわかります。文部科学省の資料より、詳しく見ていきましょう。
【大学学費】国公立大学の授業料と入学料の30年間の推移はいくらか
文部科学省は、国立大学と公立大学、私立大学の授業料と入学料の推移を公表しています。
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出所:文部科学省「国公私立大学の授業料等の推移」
同資料を参考に、まずは1987(昭和62)年~2017(平成29)年の国公立大学の授業料の推移を確認しましょう(※年度は入学年度)。
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出所:文部科学省「国公私立大学の授業料等の推移」をもとに筆者作成
国立大学の費用は、平成16年度以降の額が国の標準額となっており、一律です。
30年前と比べて物価などの違いもありますが、授業料は1987年の30万円から53万5380円へ、入学料は15万円から28万2000円へと上がっています。
公立大学も見てみましょう。
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出所:文部科学省「国公私立大学の授業料等の推移」をもとに筆者作成
公立大学は地域によって異なるので平均となっており、入学料は地域外からの入学者の平均です。
国立大学と同じように、30年間で授業料は20万円以上、入学料は13万円以上上がっています。
ただし入学料は2009(平成21)年に40万2720円まで上がりましたが、それ以降少しずつですが減っているのがわかります。
【大学学費】私立大学の授業料と入学料の30年間の推移はいくらか
私立大学の推移も確認しましょう。
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出所:文部科学省「国公私立大学の授業料等の推移」をもとに筆者作成
私立大学も平均額になりますが、授業料は1987年の51万7395円から2017年の90万93円へ、入学料は24万5263円から25万2030円へ上がっています。
ただし、入学料は1999(平成11)年に29万815円まで上がったものの、それ以降は徐々に減少し、25万円台まで下がってきています。
2017年は国公立大学に比べると、私立大学のほうが入学料は低いのですね。
しかし、その後も授業料は年々増加し、2021年は93万943円まで上がっています。ちなみに入学料は24万5951円と引き続き減少傾向にあります。
2017年から2021年のたった4年間でも、私立大学の授業料は平均で約3万円も上がっています。
まとめにかえて
日本の平均年収はここ30年間400万円台で推移しており、ここ10年ほどは400万円台前半に下がっています。
一方で社会保険料などの負担も増えていますが、大学の授業料の上昇は大きく、私立大学にいたってはここ30年で40万円も増えています。4年間にすると授業料だけで平均約160万円の増加ですね。
大学の授業料だけ見てもこれだけ増えており、また複数の習い事や塾に通う家庭も多く、地域によっては中学受験も過熱化しており、子育て世帯の負担は以前よりも増えているといえるでしょう。
参考資料
- 文部科学省「国公私立大学の授業料等の推移」
- 文部科学省「私立大学等の平成29年度入学者に係る学生納付金等調査結果について」
- 文部科学省「私立大学等の令和3年度入学者に係る学生納付金等調査結果について」
- 厚生労働省「2021年 国民生活基礎調査の概況」
宮野 茉莉子
