2. 「年金を増やしすぎた…」夫婦を待つ悲劇とは

老後受け取れる年金と言えば「国民年金」と「厚生年金」をイメージされる方も多いと思いますが、実は所定の要件を満たした夫婦であれば「加給年金」という年金を受け取ることができます。

加給年金とは年下の妻や子どもがいる場合に支給される、いわば「扶養手当」のようなものです。

例えば、「夫が65歳・妻が60歳」の年齢差5歳の夫婦であれば、1年あたり22万3800円(生年月日に応じて加算あり)の加給年金を受け取ることができます。

この加給年金は妻が65歳になるまで受給できるので、仮に5年間受給できた場合、約112万円が受給できます。

しかし、繰下げ受給をするとこの112万円の加給年金は一切受け取ることができなくなります。

また、繰下げ受給をして年金が増えた結果、引かれる税金や保険料(健康保険料や介護保険料)も高くなり、額面のように手取りも増えた訳ではなかったというご夫婦もいらっしゃるようです。

このように、年金の繰下げ受給というのは、良い面だけでなくデメリットもあります。

メリット・デメリットを理解しないまま「年金をできるだけ増やす」ための繰下げ受給を選択すると、老後に思わぬ誤算を生むことにもなります。

繰下げ受給を選択した場合に、どのようなメリット・デメリットがあるかはしっかり把握した上で、年金をいつどのように受給するか選択すると思わぬ誤算が生まれるリスクも抑えられそうですね。