2. 不動産評価額の5種類の価格と用途

通常は、物の値段といえば売買価格を考えるでしょう。

しかし、不動産の場合、売買価格以外でもいくつか値段の指標があります。その理由は、取引額の大きさと税金が不動産取引に絡んでくるためです。

ある程度標準化された価格指標が必要なことから、それぞれの目的に応じた価格=価値が定められています。

以下に、5つの指標についてまとめました。

2.1 指標①固定資産税評価額

固定資産税評価額とは、それぞれの市区町村に所属している不動産鑑定士が、実際に物件の状態をチェックして評価した価格のことです。

固定資産税評価額は国で3年に1度は見直されており、固定資産税や都市計画税・登録免許税・不動産取得税などの算出に使用されます。

なお、固定資産税評価額は、固定資産税を算出するための基準とした「固定資産」の価値を評価した額であるため、資産の購入価格や販売価格とイコールではありません。

そのため、固定資産税評価額において、土地の価値や物件の状態が加味される割合としては公示地価の60~70%、建物については建築費の50~70%程度が一般的とされています。

また、固定資産税は不動産評価額の1.4%と定められているため、固定資産税評価額=支払っている固定資産税÷1.4%(0.14)にて、求めることが可能です。

1.4%は標準税率と呼ばれるもので、地方自治体により自由に決められています。

もし詳細な標準税率をチェックしたい場合は、お住まいの自治体のサイトなどでぜひ確認してみることをおすすめします。

課税標準額とは

一軒家を所有されている方で、固定資産税の納付通知書で「課税標準額」という指標を目にしたことはありませんか?

課税標準額とは、税額計算の基礎となる金額のことを指しており、土地の価格を表す不動産評価額とは少し異なります。

基本的には評価額と課税標準額は同じ額ですが、特例措置や土地の税負担の調整措置が適用されるなど、課税標準額のほうが低くなるという特徴があります。

2.2 指標②公示地価

公示地価とは、国土交通省が毎年1月1日に公表する、1m2当たりの地価のことです。都市計画区域内外の地域において、2名以上の不動産鑑定士が現地調査を行うことで決定されます。

なお、定められた公示地価は、土地の売買による指標や、公共事業の土地取得価格の参考などで使われています。