4. 第3号被保険者が注意すべきこと
第3号被保険者は、自身で国民年金保険料を納めなくても老齢基礎年金がもらえるという点ではメリットがありますが、注意すべき点もあります。
4.1 上乗せ給付は対象外となることも
自営業者などが対象となる第1号被保険者が受け取る年金は、老齢基礎年金だけです。しかし、「付加年金」というオプションを支払えば、その分が年金額に上乗せとなります。
また、「国民年金基金」に加入すれば、65歳から受け取る年金を増やすことができます。また、第2号被保険者であれば、年収や厚生年金の加入期間に合わせて支給される「老齢厚生年金」が老齢基礎年金に上乗せされます。
しかし、第3号被保険者には、こうした上乗せ給付をつけることはできません。とはいえ、2017年1月からは、iDeCo(個人型確定拠出年金)が第3号被保険者にも解禁されたため、自身で加入し、増やすことは可能です。
4.2 配偶者である第2号被保険者の年齢に要注意
専業主婦が第3号被保険者となるのは、20~60歳になるまでの期間ですが、第2号被保険者である配偶者の状況によっては、第1号被保険者に変更になることもあります。
たとえば、第2号被保険者である配偶者が65歳になったとき、または、第2号被保険者である配偶者が、死亡、退職などで、厚生年金等の加入者でなくなったときが考えられます。
第3号被保険者は、第2号被保険者が存在することで得られるポジションということもあり、配偶者が加入者から外れてしまえば、第1号被保険者として、自分で保険料を負担することになります。
とくに、第2号被保険者と年齢差のある第3号被保険者は注意しましょう。
5. まとめ
第3号被保険者という立場は、年金保険料を負担しなくてもよいという点が目立ち、専業主婦ばかりが優遇されていると思っているかもしれません。
しかし、最近の社会保険適用拡大などを考えると、そうとも限らないのではないでしょうか。
参考資料
舟本 美子