この秋に定年退職を迎える方もいます。

最近でははたらくシニアも増えましたが、年金の受給開始を一区切りにしようと考えている方も多いのではないでしょうか。

趣味を楽しみながら年金収入で生活する。そんな老後生活に憧れる方もいますよね。

しかし、年金の受給額には注意が必要です。50歳以上の方は「ねんきん定期便」で目安となる受給額を把握できているでしょうか。

もしできていても、税金や保険料の支払いを忘れてはいけません。額面と手取りの違いを理解しておかないと、老後に困ることも。

特に6月に送付される「年金振込通知書」に衝撃を受ける方も多いです。くわしく見ていきましょう。

【注目記事】年金を増やしすぎた夫婦を待つ悲劇。手遅れになる前に知っておくべき繰下げ受給の仕組み

1. 厚生年金と国民年金は原則65歳から受給開始

日本の年金制度は国民年金(基礎年金)と厚生年金の2階建て構造となっており、どちらも原則65歳から受給開始となります。

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出所:日本年金機構「国民年金・厚生年金保険 被保険者のしおり」(令和4年4月)・厚生労働省「日本の公的年金は『2階建て』」をもとにLIMO編集部作成

出所:日本年金機構「国民年金・厚生年金保険 被保険者のしおり」(令和4年4月)・厚生労働省「日本の公的年金は『2階建て』」をもとにLIMO編集部作成

ただし、2階部分である厚生年金に加入できるのは会社員や公務員のみ。それ以外の自営業や専業主婦などは、国民年金のみの受給となります。

また、65歳より前に受給できる「特別支給の老齢厚生年金」もあります。

厚生年金保険の受給開始年齢が60歳から65歳に引き上げられたことを受け、生年月日などの条件を満たす方が受給できる制度です。

さらに、受給額は減額されるものの、最大60歳まで年金を前倒しで受給できる「繰上げ受給」制度もあります。

2. 年金振込通知書とは

年金振込通知書とは、日本年金機構から送付される通知書のことです。

毎年6月に送付され、年金支払額や振込額、振込予定額などが記載されています。

詳しい記載内容を確認しましょう。

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出所:日本年金機構「年金振込通知書」

出所:日本年金機構「年金振込通知書」

2.1 (1)年金支払額

1回に支払われる年金額(控除前)のことです。年金は2ヵ月分まとめて支払われるため、2ヵ月の合計額となります。

2.2 (2)介護保険料額

年金から天引きされる介護保険料額が記載されます。

2.3 (3)後期高齢者医療保険料、国民健康保険料(税)

年金から天引きされる後期高齢者医療保険料や国民健康保険料(税)が記載されます。天引き対象でない場合は記載がありません。

2.4 (4)所得税額および復興特別所得税額

年金から天引きされる所得税額および復興特別所得税額が記載されます。具体的には、社会保険料と各種控除額(扶養控除や障害者控除など)を差し引いた後の額に5.105%の税率を掛けた額となります。

2.5 (5)個人住民税額

年金から天引きされる個人住民税が記載されます。

2.6 (6)控除後振込額

年金から天引きされる上記の金額を差し引いた結果、実際に銀行等に振り込まれる金額が記載されます。

3. 「年金振込通知書」の内容に衝撃を受ける人が後を立たないワケ

年金振込通知書の内容を見て、衝撃を受ける方は多いものです。老後に介護保険料を支払い続けないといけないことや、年金からの天引きで納めることを知らない方は少なくありません。

年金の額面をねんきん定期便等で確認していても、手取り額まで考えていなかった方もいます。

ちなみに、天引きされる金額は年度途中に本決定されるため、年金振込通知書どおりではないケースもあります。

退職した方やマイホームを売却して一時的に所得があがった方など、翌年に天引き額が跳ね上がることもあります。

予想することは難しいものの、額面と手取りが違うことは意識しておきたいものです。

国民健康保険や後期高齢者医療制度などは、自治体によって天引きをストップすることもできます。ただし、その場合でも支払いが免除されることはありません。

納付書や口座振替等で納める必要はあるため、負担の大きさは変わらないでしょう。

4. 老後に備えて対策を

「年金振込通知書」の内容を解説しました。意外に天引きされるお金が多いことに気づいた方も多いのではないでしょうか。

年金収入は老後を過ごす上で心強い存在である一方、年金だけで生活するのは難しいといえます。

足りない分を補うために、自助努力は必須の時代です。貯蓄や保険、資産運用などをバランスよく取り入れ、老後の資金を形成していきたいですね。

参考資料

太田 彩子