1. 国民健康保険料はどのように決まる?
国民健康保険料は、「医療分」「後期高齢者支援分」「介護分」の3つの項目から構成されています。それぞれの項目に対して「所得割」「均等割」「平等割」「資産割」と保険料率が決められていて、合計額により算定されます。
なお、計算のベースとなる項目は上記のように決められていますが、具体的な算定方法は自治体によって異なります。詳しい計算方法は、お住まいの自治体に確認してみましょう。
1.1 2022年から国民健康保険料の上限が引き上げに
上記で解説したように国民健康保険料は各項目と保険料率から計算されますが、上限が設けられています。この上限が、保険料負担の公平性と中低所得者層の保険料負担軽減を理由に2022年4月から3万円引き上げられることになりました。
あくまで「上限」の引き上げであるため、影響があるのは高所得者世帯でしょう。対象となるのは単身世帯で年収約1140万円以上(給与・年金所得約940万円以上)だと試算されています。
少子高齢化が進めば医療費の負担が増えるため、今後も保険料や自己負担の増加といった可能性が考えられるでしょう。国民健康保険に加入する個人事業主などは、ご自身に影響する部分を確認してみてください。
1.2 75歳以上は医療費の窓口負担が2割になる人も
これまで75歳以上の現役並み所得者は医療費の窓口負担が3割となっていたものの、一般所得者等は1割とされていました。
しかし、2022年10月1日より、現役並み所得者を除く一定以上の所得がある75歳以上の方等は、医療費の窓口負担が2割に引き上げられることになったのです。
厚生労働省によると、変更対象となるのは後期高齢者医療の被保険者全体のうち約20%。2割の対象となるのは世帯にいる75歳以上の人数によっても異なりますが、75歳以上が1人の世帯は「年金収入+その他の合計所得金額が200万円以下」、2人以上の場合は「年金収入+その他の合計所得金額が320万円以上」とされています。
なお、窓口負担割合が2割となる人は、2022年10月1日の施行後3年間は負担を抑える配慮措置があります。詳しくは、お住まいの自治体に確認してみましょう。