夏の高校野球が終わりました。
コロナ禍のあらゆる制限の中で頑張る高校生たちの姿に、熱い想いを感じた方も多いことでしょう。
特に、東北初の優勝を手にした仙台育英の監督の言葉には、多くの方が感動を覚えました。
青春時代はあっという間に終わってしまいますが、大人でも夢を持っていいものです。たとえ何歳であっても、定年退職を迎えたあとであっても、夢や理想を持って生きていきたいですね。
60歳代になるとほとんどの方が定年退職を迎えるため、第2の人生に舵を切ります。ばっさり仕事を辞める方もいれば、できる限り仕事を続ける方もいます。
どんな老後を迎えるにしても、重要になるのはお金の存在です。
今回は60歳代の就業状況と貯蓄についてみながら、定年後の生活費で「減る出費・増える出費」についてもみていきます。
理想を叶えるためにも、老後資金は確実に貯めていきましょう。
60歳代のリアルな就業状況。何歳まで働く?
内閣府の「令和4年版高齢社会白書」によると、60歳代の就業状況は次のようになっています。
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出典:内閣府「令和4年版高齢社会白書」
「役員を除く雇用者」として働くのは「60~64歳男性」で61.5%、「65~69歳男性」で38.8%です。一方「60~64歳女性」では50.9%、「65~69歳女性」では30.6%となりました。
60代後半でも、約3割の方が雇用者として働いているようです。
それぞれの年代ともに、「自営業主・家族従業者」、そして「役員」(非労働力人口を除く)と続きます。
次に、何歳まで働きたいかを聞いた結果も見ていきましょう。
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出典:内閣府「令和4年版高齢社会白書」
全国60歳以上の男女に聞いた結果、「収入のある仕事をしている者」のうち、「働けるうちはいつまでも」と考える人が最も多く36.7%を占めました。
次に「70歳くらいまで」(23.4%)「75歳くらいまで」(19.3%)「65歳くらいまで」(11.6%)と続きます。
70歳代までという方が約4割を占め、いつまでもが3割強です。今は引退して悠々自適に過ごす…というよりも、できるだけ長く働きたいと考える方が多いようです。
円グラフで60歳代の貯蓄格差が明らかに
働けるうちはいつまでも働きたいと思っている人でも、その理由はさまざまでしょう。
仕事にやりがいや楽しみを感じている人もいれば、健康維持のためという方もいます。
一方で貯蓄が少ないからや、老後資金に不安を抱えて辞められないという方もいると考えられます。
60歳代の貯蓄について、金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査](令和3年)」から、今の60代の二人以上世帯の貯蓄額を円グラフで確認しましょう。
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出典:金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査](令和3年)
60歳代世帯の金融資産保有額(金融資産を保有していない世帯含む)
- 平均値:2747万円
- 中央値:810万円
平均は2747万円。より実態に近い中央値は810万円です。2019年には「老後2000万円問題」が話題となりましたが、中央値が810万円ということを考えると、厳しいことがわかります。
円グラフを見てわかる通り、最も多いのは「3000万円以上」で22.8%、次に「金融資産非保有」で19.0%が多くを占めています。
このことから、60歳代の貯蓄事情では大きく二極化しているようすがわかります。
また、貯蓄200万円未満はおよそ4分の1世帯にのぼります。このように老後資金が厳しいとなれば、働き続ける必要性を感じる方が多いことにもうなずけます。
定年後の出費は意外に多い
貯蓄が足りるかどうか考えるときに重要になるのが、「年金」と「定年により変わる生活費」です。もし老後に赤字を出さなければ、生活費で貯蓄を切り崩す心配がなくなるでしょう。
公益財団法人 生命保険文化センター「セカンドライフの生活費は現役時代とどう違う?」より、定年後に増える出費と減る出費を確認します。
定年退職によって増える出費の例
- 趣味や生きがいのための費用
- 近所づきあいの交際費
- 妻の国民年金保険料(妻が60歳になるまで)
- 国民健康保険料※
※健康保険から国民健康保険へ移るほか、定年退職前の健康保険に引き続き加入する、要件を満たす人が会社勤めの家族の被扶養者になる選択肢もある
定年退職によって減る出費の例
- 会社員としての交際費・食費
- スーツ、ワイシャツ、ネクタイなどビジネス被服代
- 子供の教育・扶養費用(成人・独立の場合)
- 住宅ローン(完済する場合)
- 厚生年金保険料
- 雇用保険料
- 健康保険料※
※健康保険から国民健康保険へ移るほか、定年退職前の健康保険に引き続き加入する、要件を満たす人が会社勤めの家族の被扶養者になる選択肢もある
上記は代表的な項目ですが、定年により会社員としての交際費やスーツ代などが減る一方で、増える出費もありますね。
特に仕事から離れる方は、社会との接点維持のためにご近所付き合いが増える傾向にあり、結果的に交際費が増えやすくなります。
一般的には65歳から年金の受給開始となりますが、社会保険料や税金が天引きされることにも注意しましょう。
介護保険料などは、例え介護状態になっても一生涯支払います。こうした負担は、意外に見落とされがちです。
実際に「年金をいくらもらえそうか」「出費の増減はどうなるか」はご家庭によって異なります。また、病気やケガをした際の医療費や、孫へのプレゼント代など、当初想定していた出費以外の出費が増える可能性もありますね。
「わが家のケース」として、一度目安となる金額を算出しておきましょう。
いつまで働きいくら貯めるのか。答えは各家庭で違う
昨今は急激に物価が上昇し、貯蓄ペースが鈍っている家庭もあるかもしれません。
年金や値上げなどお金に関する不安がささやかれますが、どのような対策がとれるかはご家庭により異なります。
お金を増やす方法は「仕事を長く続ける、節約する、運用をする」が基本になります。
長く働くに越したことはありませんが、健康リスクは誰にでもあります。「いつまで働けるだろうか」と考えるのは不安も高まるだけなので、「◯歳までに〇〇万円貯蓄して辞める」など、貯蓄に力を入れるのが安心でしょう。
我が家にとって必要な金額を出してみることで、整理がしやすくなります。結果的に貯蓄のモチベーションも維持しやすくなるでしょう。
今回のデータを参考に、働き方や貯蓄について考えてみてはいかがでしょうか。
参考資料
- 内閣府「令和4年版高齢社会白書」就業・所得
- 金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査](令和3年)」各種分類別データ
- 公益財団法人 生命保険文化センター「セカンドライフの生活費は現役時代とどう違う?」
太田 彩子
