高校入試、大学入試でリスニングやスピーキングなど総合的な英語力が重視されるようになり、お父さん、お母さんのなかには、子どもが小さいうちに英語を習わせておきたいと考えている人も多いようです。

早いお子さんなら、就学前の幼児期から英語に触れる機会を得て、英語スクールなどに通っています。なかにはバイリンガルの幼稚園などに通うお子さんも。

果たしてその効果はどのようなものなのでしょうか。今回は、子どもの将来の英語力につながる、本当に必要な幼児教育についてお伝えします。

幼児英語への過信は禁物 ~フレンチ・イマージョンの問題~

結論からいうと、幼児期に英語に触れても、将来の英語力に直接影響が出る可能性は低いと思います。幼児英語に興味のある保護者の方なら、「フレンチ・イマージョン」という言葉にも聞き覚えがあるのではないでしょうか。

「フレンチ・イマージョン」とは、カナダで行われている「家庭で英語を使い、幼稚園から高校までの授業をすべてフランス語で行う」という教育法です。

日本の保護者の方のなかにも、子どもに「フレンチ・イマージョン」を受けさせて、3か国語を話せるトリリンガルに育てたいという人もいらっしゃるようです。

しかし実際は、カナダでも、フレンチ・イマージョンを受けた子どもたちの中で、英仏バイリンガルになれたのは半数ほどだといわれています。大人になった後は、大半の子どもがフランス語を忘れてしまったという話もあります。