額面の給料に比べて、手取りが思った以上に少ないことに愕然としたことはありませんか。

財務省のサイトでは「令和4年度の国民負担率は、46.5%となる見通しです」と公表されています。

国民負担率とは、国民の所得に対する税金や社会保険料などの支出の割合のこと。この比率が年々上昇しているのです。

「将来どこまで上がるのか」「なぜ上がっているのか」日本の財政問題をわかりやすく解説します。

国民負担率とは

国民負担率とは、国民の所得に対する、国民が負担する税金と社会保障費用の割合をいいます。

国民負担率は「国税・地方税の租税負担率」と「健康保険料・年金保険料などの社会保障負担率」に分けられます。

租税負担率には、所得税・住民税のほかに消費税、固定資産税なども含まれます。財務省によると、この「国民負担率」が令和4年度は46.5%となる見通しです。

また、国民負担率に将来的に国民の負担となる可能性がある財政赤字を要素として加えたものを「潜在的国民負担率」といいます。この潜在的な国民負担率は、令和4年度は56.9%となる見通しです。

国民負担率は多少の上下はあるものの、右肩上がりで推移しています。

出典:財務省「国民負担率(対国民所得比)の推移」

令和2年度は新型コロナウィルスの影響によって財政出動が積極化したため、財政赤字を加えた潜在的な国民負担率が急上昇したことがわかります。令和4年度はそれよりは下がったものの56.9%と依然として高い負担率となっています。

「租税負担率」と「社会保障負担率」で分けた棒グラフを見てみると、租税負担率は平成元年と2年に大きな山があり、その後下がって後に再び上がっていますが、社会保障負担率は年々上昇し続けていることがわかります。

昭和45年の社会保障負担率は5.4%であり、令和4年は18.7%と3倍以上増えています。

給料から引かれる税金(所得税・住民税)の割合は、個人差がありますが日本の平均的な収入で6%~8%程度であるのに対して、社会保険料はおよそ14~16%引かれることを考えると、社会保険料の負担が大きいと感じるでしょう。