国民負担率が上がり続けるワケ

国民負担率が上昇している背景には、少子高齢化があります。高齢者が増えて社会保障費が膨れ上がる一方で、それを支える現役世代は減っているため財政赤字となり、結果的に国民負担率を上げざるを得ない状況です。

国民負担率については、財務省のサイトで国際比較が提示されており、それを見ると日本はまだまだ欧米諸国に比べて低い水準です。

フランスやスウェーデン、ドイツなどをみると50%を超えています。日本との違いは国に対する信頼感といわれています。国民負担率が高くても、老後の保障がしっかりしていれば、将来のための貯金として支出することができます。

国民負担率の国際比較

出典:財務省「国民負担率の国際比較」

日本の場合はどうでしょうか。

将来のための貯金として税金や社会保険料を払っている感覚は薄いのではないでしょうか。「これだけ払っても、自分たちが年金生活に入った時には大してもらえない」と思っている人の方が多いと思います。

むしろ政府は、iDeCo(個人型確定拠出年金)やつみたてNISAを利用して自分たちで老後に備えるよう働きかけています。

税金や社会保険料の負担に加え、老後資金も自分たちで作らなければならないとなれば、消費行動が冷えるのは当然の帰結です。このままいけば、日本経済はさらに低迷して税収は減り、一方で社会保障費は増加し続けるので財政赤字が拡大し、国民負担率がさらに上昇するといった負のスパイラルに陥ることも考えられるでしょう。