3. 大阪ミナミの商業地は2ケタ下落の地点も

大阪圏は住宅地が0.1%の上昇に転じたが、商業地は0.0%と横ばいだった。住宅地で上昇率が高めだった地域としては、大阪市中心6区や堺市、神戸市東部4区などが挙げられる。大阪市や神戸市の中心部ではマンション開発が活発化するなど、コロナ禍を受けて住宅ニーズの高まりが顕著だ。

大阪圏の住宅地で最も上昇率が高かった地点は大阪市天王寺区上汐4丁目で6.6%だった。市内でも人気の高い住宅地とされる上町台地にあり、周辺ではタワーマンションの分譲も活発なエリアだ。またJR摩耶駅に近く、周辺でマンションや商業施設などの大規模開発が行われた神戸市灘区灘北8丁目は4.4%の上昇率となった。

商業地では堺市や阪神地域、京都市中心5区などが比較的高い上昇率だったが、大阪市中心6区や神戸市東部4区では下落が続いている。コロナ禍でインバウンド需要がなくなり、中心部の繁華街で飲食店などの売上が落ち込んでいることが地価にも反映したようだ。一方で日常の買い物などの利便性が高い商業地では利用客が増え、地価の押し上げ効果が見られる。なお、京都市中心部は国内の観光ニーズが回復したことも、地価上昇につながっているようだ。

商業地で上昇率が高かった地点としては、箕面市船場東3丁目が挙げられる。北大阪急行の延伸により2023年度に新駅が開業する予定の地点で、駅前ではタワーマンションの開発も進んでおり、7.5%の高い上昇率となった。一方、大阪市中央区の道頓堀1丁目は△15.5%となるなど、大阪ミナミの繁華街は2ケタの下落が続いている。