「貯蓄4000万円以上」というと、「よほど年収が高いのかも」と感じるかもしれません。年収をいくら超えると「貯蓄4000万円」が目指せるようになるのでしょうか。
実際に「貯蓄4000万円」を達成する人の割合を見るとともに、その年収も確認してみましょう。
一部では「逃げ切り世代」と言われるように、世代間格差がある可能性も否めません。そこで、65歳以上と未満でもその割合を確認してみます。
「貯蓄4000万円以上」は何割いるのか
総務省統計局の「家計調査報告(貯蓄・負債編)2021年(令和3年)平均結果(二人以上の世帯)」を使い、まずは二人以上世帯の貯蓄について分布を見ていきます。
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出所:総務省統計局「家計調査報告(貯蓄・負債編)2021年(令和3年)平均結果(二人以上の世帯)」
二人以上世帯の貯蓄の平均値は1880万円です。しかし、貯蓄保有世帯の中央値は1104万円。さらに貯蓄ゼロ世帯を含めた中央値は1026万円となりました。
平均値はどうしても一部の大きな値に引っ張られやすい傾向にあります。そのため、ここでは中央値である「1026万円」が実態を表す金額だと言えるでしょう。
一方、貯蓄額ごとの分布を詳しく見ると、最も多いのが貯蓄「4000万円以上」の世帯で12.8%でした。つまり、二人以上世帯の10世帯に1世帯は「貯蓄を4000万円以上保有している」ことがわかります。
しかし、次に多いのは「100万円未満」と答えた10.5%でした。貯蓄がない世帯も10世帯に1世帯ということで、二極化の様子がうかがえます。
年収別の貯蓄残高はいくらか
続いて世帯年収ごとに、貯蓄現在高の平均を確認してみましょう。
- 400~450万円:1864万円
- 450~500万円:1699万円
- 500~550万円:1770万円
- 550~600万円:1593万円
- 600~650万円:1503万円
- 650~700万円:1606万円
- 700~750万円:1620万円
- 750~800万円:1685万円
- 800~900万円:1880万円
- 900~1000万円:2206万円
- 1000~1250万円:2296万円
- 1250~1500万円:3022万円
- 1500万円以上:4939万円
数字を見る限り、年収が上がるほどに貯蓄額も上昇しています。そして年収が1500万円を超えたところで、貯蓄平均も4000万円を超えました。
ただし、先ほど全体の数字を見たときのように、平均値は一部の大きな値に引っ張られている可能性は否定できません。
残念ながら同資料には中央値がないため検証はできませんが、実際には個々の世帯によって貯蓄事情は大きく変わると予想できます。
特に子どもがいる世帯とそれ以外の世帯では、教育費によって貯蓄額も左右されるでしょう。現役世代と定年退職を迎えた世帯でも、事情は変わると考えられます
実際「勤労世帯」に限定すると、貯蓄の平均値は1454万円、貯蓄ゼロ世帯を含めた中央値は784万円となりました。結婚したばかりや子どもが小さい家庭、あるいは住宅ローンや教育費の負担が大きい家庭などが多い勤労世帯。
年代的にも年収がまだ低かったり、家庭の状況によって出費が多かったりする方も多いかもしれませんね。
65歳以上と65歳未満では「貯蓄4000万円」の割合が変わる?
最後に、同資料より二人以上世帯の貯蓄現在高を「65歳以上と65歳未満」に分けて確認します。
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出所:総務省統計局「家計調査報告(貯蓄・負債編)2021年(令和3年)平均結果(二人以上の世帯)」
貯蓄現在高が300万円未満/300万円以上~2500万円未満/2500万円以上の割合
- 世帯主が65歳以上の世帯:14.8%/51.9%/33.3%
- 世帯主が65歳未満の世帯:24.9%/57.5%/17.6%
世帯主が65歳未満の世帯では約4世帯に1世帯が貯蓄300万円未満で、貯蓄2500万円以上は17.6%となりました。
一方で65歳以上の世帯では、約3割強が貯蓄2500万円以上という結果に。長年の貯蓄や退職金、相続資産などもあり、まとまった貯蓄を保有できていることがわかります。
効率よく貯蓄を増やすために
貯蓄4000万円の割合について見ていきました。
全体的には4000万円を保有する世帯が12.8%いるものの、年収や年代でも異なることがわかりました。
一方で、年齢を重ねたり、高収入であったりする人でも「貯蓄300万円未満」という割合は一定数います。
こうした差は日々のお金に対する姿勢からでも生まれやすくなります。貯蓄を増やそうと考えると、一番に思い浮かぶのは「支出の削減」かもしれません。
しかし無理な節約は続かないどころか、リバウンドの危険性もあります。まずはムダな出費がないか洗い出し、無理なく抑えられる費目を探してみましょう。
また「スマホ代」や「保険料」など定額で支払う固定費も、安いプランに切り替えることが大切です。使っていないサブスク代や、家族でまとめられる会費などを洗い出すのも効果的です。
さらに忘れてはいけないのが、「お金の貯め時」を知ること。
勤労世帯では貯蓄額が低い傾向にあることがわかりましたが、同じ勤労世帯であっても「貯め時」は違います。子どもが小学校低学年になるまでなど、「今はしっかり貯める時期」というポイントを把握しておかなければ、後からリカバリーがききにくくなります。
こうした一つひとつのマネープランとじっくり向き合うことで、貯蓄を増やす努力を始めてみましょう。
参考資料
太田 彩子
