気づけば6月です。来る6月15日は年金の初回支給日。今年は年金支給額が0.4%引き下げになるため、今年から受給する人は6月15日の振込額が気になっていることでしょう。
年金は原則65歳からの受給ですが、一部60歳から受給している人もいます。今回は60~69歳にフォーカスをあて、その受給額を1歳刻みで確認したいと思います。
貯蓄状況も確認することで、老後の備えのヒントとしましょう。
【注目記事】【厚生年金と国民年金】月平均ではみんないくらもらっているのか
1. 「60~69歳」年金受給額を1歳刻みで確認
まずは厚生労働省「令和2年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」を参考に、年金受給額の月額平均を1歳刻みで確認します。
公的年金は1階部分の国民年金(基礎年金)と2階部分の厚生年金に分かれるため、それぞれに分けて見ていきましょう。
1.1 国民年金の平均年金月額
- 60歳:3万9019円
- 61歳:4万594円
- 62歳:4万1689円
- 63歳:4万2881円
- 64歳:4万3513円
- 65歳:5万7919円
- 66歳:5万7737円
- 67歳:5万7569円
- 68歳:5万7272円
- 69歳:5万7169円
1.2 厚生年金(第1号)の平均年金月額
- 60歳:9万838円
- 61歳:5万9575円
- 62歳:6万436円
- 63歳:7万8770円
- 64歳:8万636円
- 65歳:14万5337円
- 66歳:14万5703円
- 67歳:14万3386円
- 68歳:14万1979円
- 69歳:14万36円
※国民年金(基礎年金)の月額を含みます。
どちらも64歳までの受給額が少ない傾向にあります。65歳未満の国民年金の受給権者は、繰上げ支給を選択した人の金額です。
また65歳未満の厚生年金保険(第1号)の受給権者は、特別支給の老齢厚生年金の定額部分の支給開始年齢の引上げにより、主に定額部分のない、報酬比例部分のみの人が該当します。
このため、金額が少なくなっていることに留意しましょう。
年金受給額は毎年改定されており、その年に受給開始となる世代によって年金額は変わります。現役世代の賃金や物価が、その次代のシニア世代の年金に影響するのですね。
同じ保険料を納めたとしても、将来年金を受け取る経済状況によって年金額は変化してしまうのということです。
60歳~69歳が受給する年金受給額がわかりました。では60代はいくらくらいの貯蓄を備えているのでしょうか。
2. 60代の「平均貯蓄額」はいくらなのか
60代の貯蓄について、金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査](令和3年)各種分類別データ」を参考に確認しましょう。
2.1 60代・二人以上世帯の金融資産保有額(金融資産を保有していない世帯を含む)
- 平均:2427万円
- 中央値:810万円
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出典:金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査](令和3年)各種分類別データ」をもとにLIMO編集部作成
2.2 貯蓄分布の様子
- 金融資産非保有:19.0%
- 100万円未満:6.4%
- 100~200万円未満:4.8%
- 200~300万円未満:3.4%
- 300~400万円未満:3.3%
- 400~500万円未満:2.6%
- 500~700万円未満:5.9%
- 700~1000万円未満:5.3%
- 1000~1500万円未満:8.4%
- 1500~2000万円未満:6.0%
- 2000~3000万円未満:9.6%
- 3000万円以上:22.8%
- 無回答:2.6%
2.3 60代・単身世帯の金融資産保有額(金融資産を保有していない世帯を含む)
- 平均:1860万円
- 中央値:460万円
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出典:金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[単身世帯調査](令和3年)各種分類別データ」をもとにLIMO編集部作成
2.4 貯蓄分布の様子
- 金融資産非保有:28.8%
- 100万円未満:8.8%
- 100~200万円未満:4.0%
- 200~300万円未満:2.3%
- 300~400万円未満:3.1%
- 400~500万円未満:2.1%
- 500~700万円未満:5.6%
- 700~1000万円未満:5.6%
- 1000~1500万円未満:6.5%
- 1500~2000万円未満:4.2%
- 2000~3000万円未満:8.4%
- 3000万円以上:17.7%
- 無回答:2.9%
二人以上世帯と単身世帯では、平均貯蓄額に大きな差があります。
また「金融資産非保有」つまり貯蓄ゼロの割合は、二人以上世帯が19.0%なのに対し、単身世帯は28.8%です。
3. 「年金だけで生活する」高齢者は約5割のみ
日本年金機構の「知っておきたい年金のはなし」では、約5割の方が年金だけで生活していることがわかっています。
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出典:日本年金機構「知っておきたい年金のはなし」
「年金」と「退職金」で生活できると想定している方は、こうした現状を知っておく必要があるでしょう。
今年度の年金支給額は昨年に比べて0.4%の引き下げです。年金制度が破綻することはありませんが、このまま受給額が減っていく可能性は十分にあるでしょう。
誰もが老後の備えとして、「年金」以外に貯蓄が必要となるのです。
4. まとめにかえて
60歳~69歳が受給する年金の平均額、さらには平均貯蓄額を見ていきました。
年金は現役時代の収入や加入期間に左右されますし、貯蓄額は家族構成や居住地などで変わります。
平均はあくまでも参考の1つとし、「自分にとって必要なお金はどれくらいか」という視点で考えてみましょう。
参考資料
- 厚生労働省「令和2年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」(2021年12月)
- 金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査(令和3年)各種分類別データ」
- 日本年金機構「知っておきたい年金のはなし」
太田 彩子
