60代はまだ働かれる方も多いですが、70代になると働くシニアも減ります。
厚生労働省の「令和3年版高齢社会白書」によれば、2020年で働く「70~74歳」は32.5%、「75歳以上」は10.4%。
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出典:厚生労働省「令和3年版高齢社会白書」
60代ではおよそ半分以上が働いていますから、70代に入ると仕事をやめようと考える方も多いのでしょう。
60代までは働くことにより収入を得られていても、70代になると「年金と貯蓄」で生活していくことになります。
今回は70代のリアルな生活や年金・貯蓄額を見ていきましょう。
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1. 70代の「ひと月の生活費」はいくらか
まず確認したいのが、70代の「ひと月の生活費」です。
総務省の調査より、70代以降の二人以上・無職世帯の消費支出を確認します。
- 70~74歳:24万2579円
- 75~79歳:22万4855円
- 80~84歳:20万6655円
- 85歳~:19万4102円
(参考:総務省「家計調査報告(家計収支編―二人以上の世帯―2020年)」より)
70代以上・二人以上世帯の月々の生活費は20万円台前半でした。上記に加えて、社会保険料や税金などがかかることを考えると、月25万円前後が目安になるでしょう。
ただこちらは平均なので、お住まいの地域や居住形態などによって生活費は変わります。
2. 70~79歳は厚生年金と国民年金をいくらもらってるのか
次に、70代がひと月に受け取る年金を確認します。
厚生労働省の「令和2年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」より、国民年金と厚生年金の平均受給額を確認しましょう。
出典:厚生労働省の「令和2年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」
2.1 国民年金の平均年金月額
- 70歳:5万7234円
- 71歳:5万7153円
- 72歳:5万7066円
- 73歳:5万6874円
- 74歳:5万6675円
- 75歳:5万6235円
- 76歳:5万6204円
- 77歳:5万5881円
- 78歳:5万5651円
- 79歳:5万5525円
2.2 厚生年金(第1号)の平均年金月額
- 70歳:14万3775円
- 71歳:14万7105円
- 72歳:14万6331円
- 73歳:14万5724円
- 74歳:14万5467円
- 75歳:14万7519円
- 76歳:14万8172円
- 77歳:14万9924円
- 78歳:15万2159円
- 79歳:15万4467円
※国民年金の金額を含む
国民年金は5万円台後半、厚生年金は14~15万円台でした。「会社員の夫と専業主婦の妻」であれば、月の受給額は約22万円ほどになるでしょう。
先ほどの生活費と比べるとおよそ3万円不足するため、その分を貯蓄から補う必要があります。
では、70代はどれくらい貯蓄を保有しているのでしょうか。
3. 70代以上「貯蓄」の平均額とは
金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査](令和3年)」を参考に、70歳以上世帯の貯蓄額を確認していきましょう。
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出典:金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査]令和3年調査結果」をもとにLIMO編集部作成
3.1 70歳以上世帯「金融資産保有額」(※金融資産を保有していない世帯を含む)
- 平均:2209万円
- 中央値:1000万円
70代の平均貯蓄は2209万円と、「老後2000万円問題」をクリアしています。
しかし、平均は一部の富裕層に影響されるもの。中央値で見れば1000万円台でした。
分布をみると貯蓄を3000万円以上保有している方が2割いる一方で、貯蓄ゼロの世帯も2割弱です。
60代とは違い、働くことによる収入が見込めなくなると不安は増すでしょう。70代では持病を抱えたり、介護が必要になったりという可能性もあります。
また、今さまざまな食料品などが値上げされているように、社会情勢の影響を受けた変化も想定されます。早いうちから老後資金に備える必要があるでしょう。
4. 70代の「生活費・年金・貯蓄」への備え方
70代のお金事情を確認してきましたが、今からできることは何でしょうか。
まずは老後の暮らしをイメージして、できるだけ生活費を減らす工夫をしたいところ。「住まいはどうするか、車は保有するのか、病院に通う場合にはどうするか」といったところまで考え、総合的に生活費が安くなる暮らしを考えましょう。
年金については、今はパートの方でも特定適用事業所で働き、一定要件を満たせば厚生年金へ加入できる時代です。他に個人年金やiDeCoなどの私的年金で備える方法もあります。
現役世代は教育費や住宅ローンの負担が大きい方もいますから、なかなか貯蓄が進まない方もいるでしょう。その場合、給料日に貯めておく「先取り貯金」をはじめてしっかりと貯蓄をしましょう。
今はつみたてNISAのように運用益が非課税になる制度もあるので、運用を取り入れるのも一つ。リスクはありますが、預貯金や年金のみでは老後が不安な時代ですから、まずは情報収集してみてはいかがでしょうか。
さまざまな手段で老後に備えてくださいね。
参考資料
- 厚生労働省「令和3年版高齢社会白書」
- 金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査](令和3年)各種分類別」
- 総務省「家計調査報告(家計収支編―二人以上の世帯―2020年)
- 厚生労働省「令和2年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」
宮野 茉莉子
