【60代の貯蓄額】より実態に近い中央値は810万円
同調査によると、60代貯蓄額の平均は2427万円です。平均貯蓄額を見る限り、日本が抱える老後2000万円問題の深刻さをさほど感じられないかもしれません。
しかし、より実態に近いといえる「中央値」に着目すると、老後資金問題の現実を窺えます。
同調査で公表されている60代貯蓄の中央値は810万円となっており、2000万円には到底及ばない金額です。
3000万円以上の貯蓄を持つ60代の割合が22.8%と最も多いことを考慮すると、家庭によって貯蓄額に大きな差があるといえます。
つまり、貯蓄ができている60代は多額の資産を保有している一方、老後資金の不足に悩む60代も多いということです。
執筆者
学習院女子大学(国際交流学部・国際コミュニケーション学科卒)卒業。学部3年次にワシントンD.C.に所在する政府機関に訪問し、国際社会における日本の在り方について考えた。大学在籍中にファイナンシャルプランナー3級を取得。その後、都内大学院に進学し、19世紀アメリカにおけるライフスタイル、女性の生き方、女子教育・個人主義などについて研究。これらの知見を活かし、教育にかかる費用や貯蓄、公的年金制度などの金融&ライフをテーマとした記事を中心に執筆している。時代とともに変化する女性の進学・就職・キャリアの動向や、近年増加傾向にある「おひとりさま」の生き方を官公庁の統計データ等から紐解き、現代社会と絡めて考えていくスタイルの記事を得意とする。(2024年3月11日 更新)