2.高齢者の就労意欲は高い
内閣府の「高齢者の経済生活に関する調査結果(令和元年度)」によると、65歳以上の3割が収入のある仕事をしています。
また、65歳以上の2割は「働けるうちはいつまでも」収入を伴う仕事をしたいと回答しており、高齢者の就労意欲は旺盛です。
仕事を続ける理由は何と言っても「収入がほしいから」が4割と高くなっています。経済停滞の中、就労者の収入が伸び悩むとともに、少子高齢化による人手不足を背景として、多くの高齢者が、いまだ現役で働き、社会で活躍し続けていることがわかります。
定年年齢の変遷を振り返ると、ほとんどの会社員が1970年代は55歳、1986年以降は60歳で定年を迎えてきました。しかし、年金制度改正による支給開始年齢の引き上げにともない、高年齢者雇用安定法が改正され、企業には65歳までの安定した雇用の確保、さらには70歳までの就業機会の確保が求められるようになります。
その結果、高齢者の就業率は高まり、現在就労者のおよそ14%が65歳以上となりました。
ただし、主な収入源は、64歳以下の世帯では「仕事による収入」が最も高いのに対し、65歳以上の世帯では「公的な年金」が最も高く、65歳以降は少しずつ年金生活に入っていくことがわかります。