4.働ける期間はどのぐらい残っている?

冒頭に紹介したとおり、「働けるうちはいつまでも」働くことを考える人も多いですが、働ける期間はどのぐらい残っていて、引退後の余生はどのぐらいあるのでしょうか。

2019年の日本の平均寿命は男性81.41歳[女性87.45歳]でした。しかし、65歳の人が、今後生きる平均的な期間(平均余命)は、男性19.83年[女性24.63年]で、「平均寿命-年齢」より長い。

これは、平均寿命(=0歳の平均余命)が65歳未満で亡くなった人を含んだ平均であるのに対し、65歳の平均余命は65歳まで生きた人のみの平均だからです。

つまり、老後の資産設計をする場合、自分の寿命を「平均寿命‐年齢」で見積もると不足する可能性があります。

また、厚生労働省では、健康上の問題で日常生活(仕事や身の周りのことなど)が制限されることなく生活できる期間として、「健康寿命」を公表しています。

2019年の「健康寿命(=0歳の健康余命)」は、男性72.68年[女性75.38年]でした。一方、65歳の人の平均健康余命は、やはり「健康寿命-年齢」より長く、男性14.43年[女性16.71年]です 。この期間が働ける期間の目安と考えると、男性で平均3年、女性で平均2年ほど働いている計算となります。