2. 「自分のお金を自分で使い切る」難しさ

一見、「老後のお金を自分で使い切る」というのはシンプルでわかりやすいことに思えます。しかし現実はそう簡単ではありません。

自分の寿命は誰にもわからず、いつまでにいくら使っても大丈夫かが判断できないからです。

仮に老後資金を2000万円貯めたとしましょう。毎月15万円ずつ使うとすると、15万円×12カ月=1980万円。約11年で底をついてしまいます。

65歳に定年退職すると仮定すれば、76歳で貯金を使い切ってしまうことになります。

では毎月8万円にすればどうでしょうか。8万円×12カ月×20年=1920万円。今度は約20年を過ごせることになります。

数字上では計算できても、実際に自分は何歳まで生きる!と決めてしまうのは難しいですよね。

しかし、老後に公的年金と個人年金保険という「収入」を確保できればどうでしょうか。

公的年金と個人年金で生活費をまかなえるのであれば、老後資金の2000万円は娯楽に注ぐことができます。

毎月計画的に生活費に充てるよりも、使い切りに近づくでしょう。「歳をとれば趣味に使うお金は減る」という意見もありますが、実際にはその時にならなければわかりません。

残りのお金を考慮ながらも、思い切り趣味を楽しむことができます。