大谷選手の目標達成シートにみる、「野球・運・人間性」への意識

では、大谷選手が実際に書いていた目標達成シートを記載された項目を、「野球への意識」「運」「人間性」に分けて、その内容をみていきます。

野球への意識

大谷選手は高校時代、「プロ野球8チームからドラフト1位」で指名されることを大きな目標として掲げていました。

高校時代はピッチャーとしての能力を高く評価されていたため、技術的な部分や身体づくりに関してはピッチャー寄りの内容が多く記されていますね。

プロ野球選手になるためには、ボールのキレ・スピード・コントロールのレベルアップが必要だと認識し、課題解決に向けてフォームの修正やトレーニングで意識すべきポイントを挙げていました。

また、身体づくりに関しては瞬発力・柔軟性・耐久性を兼ね備えるため、食事やトレーニングでパワーアップを図る内容が書かれています。

高校生でFSQ(フロントスクワット)90kg、RSQ(リア=バックスクワット)130kgと、具体的な数値を掲げられる選手はそう多くはないでしょう。

大谷選手が、高校時代から常に高い意識を持ってトレーニングに励んでいた姿勢がうかがえます。

「運」への着眼点

大谷選手は、「運」を目標への手段として意識していることが分かります。

この「目標達成シート」からは、大谷選手は自らの行動を積み重ねた末に、「運」を手繰り寄せようとしていることもうかがえます。

「あいさつ」「ゴミ拾い」「審判さんへの態度」など、成績の上下に関わらずシーズンを通して大谷選手の振舞いは変わりませんでした。ここが、周囲を明るくさせる行動に繋がる、といえるでしょう。

プロ野球選手を夢見る子どもたちにプレーと人間性の両面で魅力を伝えられる、そんな存在感のルーツはここにあるのかもしれません。