かの野村克也氏も評価した、大谷選手の「人間性」

「人間性」に繋がる行動

「感謝」「思いやり」「礼儀」などが挙げられ、常に周囲への敬意を意識して行動していることも分かります。

人間、結果が出ない時は他者に責任転換をしがちです。しかし、大谷選手から言い訳やネガティブな発言はあまり聞きませんね。

高校生の時点で、「一喜一憂しない」「頭は冷静に心は熱く」といった、メンタルの安定を心がけていた大谷選手。その結果が、いま、ストレスや不安をコントロールしている点に繋がっているのかもしれません。

そもそも「人間性」なるものは、抽象的な表現で細かい目標を言語化することが難しいものです。大谷選手はそれを、高校時代から具現化できていた、といえそうです。

普段から意識して行動を続けることで、グラウンド内外で見せる自然な振る舞いが身に付いていったことが考えられます。

かの野村克也氏も評価

ちなみに、故・野村克也氏も、その著書で大谷選手の謙虚さや向上心を称賛しつつ、この目標達成シートの内容についても触れています。

なかでも、ドラフトで8球団に指名されるために必要な項目として「人間性」を挙げているのが、私には興味深かった。「人間的成長なくして技術的成長なし」と私は選手たちに言い続けてきたからだ。

(中略)

「自分はこうなりたい」「これがしたい」

人間が成長するためには、そういう具体的な目標を持つことが非常に大切だ。それがみずから能動的にやるべきことに取り組もうとする意欲の源泉となるからである。

引用元:野村克也(幻冬舎)「プロ野球怪物伝 大谷翔平、田中将大から王・長嶋ら昭和の名選手まで」第1章「二刀流・大谷翔平という怪物」より