40歳になると介護保険料の負担が始まります。支え手の一人であると同時に、「将来、支えられる人」の予備軍でもある私たち。

とはいえ、働き盛りの世代が「介護」に意識が向き始めるのは、親族などの老いに直面したタイミングが多いかもしれませんね。

40代・50代の時点で「介護のお金」にまつわる制度や実情を知っておけると心強いでしょう。親世代のケアだけでなく自分自身の老後を見据えたマネープランを練る上で参考となるはずです。

11月11日は「介護の日」。介護に対する啓発を目的に定められた日です。今日は厚生労働省の資料などをもとに、「介護のお金」について考えていきます。

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「要介護の人」はどのくらい増えている?

2021年11月8日、厚生労働省が公表した「令和元年度 介護保険事業状況報告(年報)のポイント」によると、2020年3月末現在の要介護(要支援)認定者数は669万人。前年の同時期から11万人(1.6%)増えています。うち、手厚い介護を要する「要介護3~5」の人も3割超(34.4%)。

2025年は「団塊の世代」がすべて後期高齢者となり、さらに高齢者の5人に1人が認知症となることが推測されている年でもあります。要介護認定者数が右肩上がりとなることは想像にたやすいでしょう。

「サザエさん」や「ちびまる子ちゃん」のおうちは減っている

高齢化が進み、核家族世帯や一人っ子が増えるこんにち。サザエさんやまる子ちゃんの家族のように、3世代がにぎやかに暮らす世帯は少数派といえるでしょう。

「令和3年(2021年)版 高齢社会白書」によると、65歳以上の人がいる世帯数は令和元年現在2558万4000世帯。全世帯(5178万5000世帯)のほぼ半分です。1980年(昭和55年)時点では「三世代世帯(50.1%)」の割合がトップでしたが、2019年(令和元年)では「夫婦のみの世帯」と「単独世帯」を合わせて約6割(61.1%)という結果に。

子ども世帯と離れて暮らす人も多いでしょう。また、令和の世でも介護の担い手となることが多い「娘」や「長男のお嫁さん」がフルタイムで働いている場合も多いはず。

家族だけではなく、社会全体でシニア世代を見守る必要が出てきたわけですね。「介護を社会で支え合い、老後の不安を軽減」するために2000年に始まったのが介護保険の制度です。

次で詳しく整理していきましょう!