「お金と暮らし」老後の自分をイメージしてみよう
ライフスタイルや健康状態により、必要となるお金にはおのずと個人差が出るでしょう。公的介護保険と年金だけで乗り切れるご家庭は、多数派とは言いにくいはずです。
「人生100年時代」を生きるであろう私たちは、よりていねいに老後の準備に取り組む必要があります。「健康寿命」、そして「資産の寿命」を延ばす視点を持ちたいものですね。
蛇足ですが……。
若い頃は「子どもの世話になんて絶対ならない」と言い張っていた人が、老後は息子や娘を頼り切り状態、というケースをしばしば聞きます。その逆もしかり。
40代の頃には全く気にならなかった「ほんの1センチほどの段差」が、70代を過ぎて転倒事故の原因となり得ます。せっかく買った「便利家電」を、認知症の進行に伴い使いこなせなくなることも。
「自分が老いた姿」「理想の老後」をイメージしてみることで、いまの無駄な出費や、将来の想定外の支出も、おぼろげながら見えてくる気が……。
同時にそれは、いまの自分自身の暮らし方を見直すことにも繋がっていくでしょう。老親の介護を通じて、筆者はそう実感しています。