在宅介護でも「ひと月約8万円」かかる!?

公益財団法人生命保険文化センターの調査によると、公的介護保険サービスの自己負担費用を含めた「介護費用」は、介護用ベッド購入や住宅費用などの「一時費用」合計が平均69万円。ひと月の費用平均は7万8000円です。

その他に必要な費用をいくつかご紹介します。

「特定福祉用具」

腰掛便座や入浴補助用具など、直接肌に触れるもので他人が使ったものをレンタルで使うことに抵抗を感じる用具です。介護保険で1年間に10万円を上限として1割負担(所得による)で購入可能です。

いったん利用者側で全額支払い、費用の9割(一定以上の所得がある場合は8割または7割)が後日介護保険から払い戻されます。

「訪問診療」

日本訪問診療機構によると、訪問診療を月2回利用する場合の費用は、1割負担の人は約7000円、3割負担の人は約2万円というデータがあります(※)。

※ 1カ月に2回の訪問診療で院外処方箋を交付する場合。検査が必要な場合、医療機器を利用するケース、ガンの治療費用などは別途上乗せ。

「老人ホーム入居」にかかるお金は?

施設に入所する場合、介護保険対象施設と民間施設との間で費用に差がでます。ここでは「特別養護老人ホーム」と「民間の老人ホーム」に分けて考えます。

特別養護老人ホーム

特別養護老人ホーム(特養)は、介護保険が適用されるため自己負担が比較的少なくすみます。入居時の一時金は不要で、月々の利用料は所得区分により減免されます。「原則要介護3以上」など入所要件もあります。

人気が高く、常に「空き待ち状態」であるケースがほとんどです。

民間の老人ホーム

特別養護老人ホームに入居できない場合や、要介護度が低い人は「介護付き有料老人ホーム」や「サービス付き高齢者向け住宅」などの民間施設への入居を検討するでしょう。

LIFULL介護の「老人ホームの費用相場」(2021年9月30日時点)のデータをもとに、老人ホームの平均入居期間である「5年間」に必要な費用を計算すると以下のようになります。

  • 有料老人ホーム…約1900万円
  • サービス付き高齢者向け住宅…約1000万円

夫婦2人が入居を考えた場合、2000~4000万円が必要となる可能性があるわけです。