D2Cでは男性向けパーソナライズ化粧品も
スキンケア商品を扱う中規模程度のD2C(消費者直接取引)企業でも、AIによる肌分析は活発です。たとえば、Sparty(スパーティー)の自社ブランド「HOTARU」は、オンライン上のカウンセリング・肌診断により、それぞれの個性や悩みに沿ったパーソナライズ商品を提案しています。
オンライン上で22の質問に回答して顔写真を撮影すると、100万人以上のデータから肌質や生活習慣などをもとにAIが肌の状態を分析・診断してカルテを作成。その人に合うようにパーソナライズされた化粧水と美容乳液を選び、名前入りのカウンセリングカードを付けて毎月届ける定期購入モデルを展開しています。
また、木村拓哉さんを起用したスキンケア商品のテレビCMで知名度が上がった男性用コスメのバルクオムも、ユーチューブ上でフローチャートを使った肌のチェックや診断を行い、肌質ごとのスキンケア方法を提案。さらに、自社サイトでは個人に合ったメイク化粧品を提案する無料サービスを実施しています。
ネット上での質問に回答し顔写真をアップすれば自分の肌色の特徴がわかるサービスで、その情報をもとにAIが肌の特徴を診断。コンシーラーやアイブロウなどメンズ用メイク商品の中から、各ユーザーに適したカラーを選んでくれます。
その人に合うように提案された商品セットは、そのままサイトで購入できます。店舗でメイク化粧品を選んだりスタッフに相談したりということに抵抗感がある男性の悩み解消につながることから、そうしたユーザーのニーズも見込んでいます。
まとめ
長引くコロナ禍のせいで化粧品の対面カウンセリング販売が縮小する中、AIなどのデジタル技術を活用し顧客へのアプローチを図る動きは今後も進みそうです。
パーソナライズ商品は化粧品だけでなく、シャンプーやサプリメント、健康食などでも注目を浴びており、多くのD2C企業が先行して攻勢をかけています。今後は大手企業においても、最先端技術を取り入れたパーソナルサービスが活発化するのではないでしょうか。
参考資料
パーソナライズスキンケアサービス『cocktail graphy(カクテルグラフィー)』(オルビス株式会社)
肌に触れずにカウンセリング「AIパーソナル肌分析」サービスを開始(株式会社ファンケル)
HOTARU公式サイト(株式会社Sparty)
バルクオム公式サイト(株式会社バルクオム)
通販研究所・渡辺 友絵