共働きと片働き、どちらがいいのか。出産や育児など、ライフスタイルの変化によって悩んだことがあるという方はたくさんいらっしゃるでしょう。

独立行政法人労働政策研究・研修機構の統計によると、2020年の共働き世帯は約1240万世帯、専業主婦世帯は約571万世帯となり、共働き世帯が主流となってきています。専業主婦世帯には、保育園不足や家庭の事情によって、働きたくても働けないという方もいるかもしれませんね。

共働きか片働きかの違いによって、世帯年収や貯蓄に影響があるのはすぐにイメージができますが、実は将来受け取る年金額にも大きな影響があります。本日は大手保険会社で勤務経験のある筆者が、共働きか片働きかで年金額にいくら違いがあるのかお伝えしていきます。

国民年金と厚生年金はどう違う?詳しく解説

働き方で将来受け取る年金額に差が出るのは、「厚生年金」部分。勤務期間や、毎月の報酬月額によって決まる報酬比例という仕組みを取っているからです。どういうことなのか分かりやすいように、まずは日本の「公的年金制度」の特徴をおさらいしましょう。

【年金の加入年齢】

  • 日本国内に住むすべての20歳~60歳

※学生は、在学中の保険料の納付が猶予される「学生納付特例制度」が設けられています。追納といって、10年以内であれば保険料をさかのぼって納めることができますよ。

【加入被保険者の種類】

  • 第1号被保険者…自営業・20歳以上の学生など
  • 第2号被保険者…公務員・会社員など
  • 第3号被保険者…第2号被保険者に扶養される配偶者

【受け取れる年金の種類】

  • 「国民年金」…第1~第3号被保険者全て。
  • 「厚生年金」…第2号被保険者のみ。

【保険料】

  • 「国民年金」…定額制で、保険料額は「基本額1万7000円×保険料改定率」。40年間すべての保険料を納付すれば「満額」となり、年金額は「78万900円×改定率」が受取れます。納付期間が足りない場合、その割合が満額から差引かれる仕組みです。 ※専業主婦などの第3号被保険者の方は、第2号被保険者の配偶者を通じて保険料を納めているとみなされるので安心してくださいね。
  • 「厚生年金」…先述のとおり、報酬比例で現役時代の勤務期間や、毎月の報酬月額によって保険料が決まります。