国民年金・厚生年金、みんないくら受給している?

ここまで、公的年金制度の大まかな仕組みを一緒におさらいしてきました。ここからは、シニア世代が受け取っている年金額を厚生労働省年金局の「令和元年度厚生年金保険・国民年金事業年報」からみていきましょう。

まずはみんなが受け取れる国民年金の受取額の分布を見ていきます。

国民年金【男性】年金月額階級別老齢年金受給権者数
~1万円未満…1万2693人・1万円以上~2万円未満…6万803人・2万円以上~3万円未満…22万1983人
3万円以上~4万円未満…70万6206人・4万円以上~5万円未満…134万5582人
5万円以上~6万円未満…312万4529人・6万円以上~7万円未満…849万4551人
7万円以上…38万1323人
国民年金【女性】年金月額階級別老齢年金受給権者数
~1万円未満…6万6247人・1万円以上~2万円未満…24万4695人・2万円以上~3万円未満…74万63人
3万円以上~4万円未満…226万4161人・4万円以上~5万円未満…336万406人
5万円以上~6万円未満…454万1337人・6万円以上~7万円未満…598万7227人
7万円以上…144万306人

国民年金の全体平均と男女別の平均額を見てみましょう。

【国民年金・平均月額】

全体…5万5946円

  • 男性…5万8866円
  • 女性…5万3699円

先述の通り、国民年金の年金保険料は一律なので男女差はわずかですね。フリーランスや自営業の方(第1号被保険者)、専業主婦(夫)や扶養内でパート勤務の方(第2号被保険者)が受け取れるのは、この国民年金のみです。

次に、厚生年金の受取額をみていきましょう。以下の金額は上記の国民年金部分を含みます。

厚生年金保険(第1号)【男性】年金月額階級別老齢年金受給権者数
~5万円未満:15万977人・5万円~10万円未満:97万6724人
10万円~15万円未満:261万3866人・15万円~20万円未満:436万9884人
20万円~25万円未満:224万9128人・25万円~30万円未満:28万8776人
30万円以上:1万7626人
厚生年金保険(第1号)【女性】年金月額階級別老齢年金受給権者数
~5万円未満:31万5100人・5万円~10万円未満:234万1321人
10万円~15万円未満:218万2510人・15万円~20万円未満:41万2963人
20万円~25万円未満:6万3539人・25万円~30万円未満:4166人
30万円以上:379人

厚生年金の平均月額も見ていきましょう。

【厚生年金・平均月額】

全体:14万4268円

  • 男性:16万4770円
  • 女性:10万3159円

女性の厚生年金受給額は、男性より月6万円ほど少ないことがわかりました。女性の方が離職したり扶養内で働かれたりするケースが多いため、これだけの差が出ると考えられます。