広告ターゲティングの制限の仕組みとは?

では、この「iOSのアップデート」とは具体的に何でしょうか。

以前執筆した「楽天が日米政府から監視?個人でできる対策はあるかにて、その内容に簡単に触れたことがありますが、再度解説します。また、2021年8月に入ってAndroidの対応状況も更新されているので、そちらも含めてお伝えします。

iOSについては、2021年8月15日段階にて、すでに各種の広告ターゲティング規制が適用済みです。

具体的には、どのような情報を収集するのか、その情報によるトラッキング(追跡)を行うのかについて、アプリダウンロード前に正しい情報を公開することが各開発者に義務付けられています。

アプリダウンロード後またはアップデート後も、起動したらすぐに「トラッキングを許可するかどうか」の確認ダイアログが表示され、ユーザーが選択しないとアプリを利用できません。

このように、仕組みレベルで「知らないうちに勝手に情報を収集して利用している」ことが無いように義務付けられています。

「楽天が日米政府から監視?個人でできる対策はあるか」でも書いた通り、これらの規制を不正に回避しようとすると、アプリ公開停止やアカウント削除などの強いペナルティがあり、開発者・企業は対応する以外に方法がない仕組みです。

プライバシー情報関連については、Android(Google)についても対応進捗があり、2021年8月11日に次バージョンのAndroid12が”Platform Stability” (プラットフォームの安定版)となりました。これにより、次のバージョンでどのような機能が提供されるかが確定しています。

プライバシー関連では、Android12では「プライバシーダッシュボード」機能が追加される予定です。この機能は設定画面に追加され、「いつ、どのアプリが、どの情報(位置情報、カメラ、マイク情報)にアクセスしたか」の履歴を利用者に提供するものです。ただ、iOS(Apple)のように「起動時に選択させ、利用者が拒否した場合は情報提供させない」というような強制力はありません。