2008年からはじまった「ふるさと納税制度」。
様々な返礼品や応援したい自治体を自分で選ぶことができるため、一度やったらハマってしまった、という声も多く聞かれます。
実際に、2020年度の「ふるさと納税に関する現況調査結果」によると、ふるさと納税の受入金額は約4875億円で約2334万件にのぼります。
制度開始の2012年は受入金額81.4億円、件数にして5.4万件でしたので、いまでは大変多くの方が利用しているようですね。
しかし「興味はあるけど、調べるのもめんどくさい」と、後回しにしているうちに申請期限を過ぎてしまったという方もまだまだいらっしゃるのではないでしょうか。
今回は、そんなふるさと納税の「わからない」「めんどくさい」を解決する3つの予備知識をお伝えしたいと思います。
ふるさと納税は本当にお得なの?
私のまわりに、「ふるさと納税って得になっているのかが分からない」という人がいました。
理由をきくと「結局自己負担で2000円払うんだよね?」と、「自己負担」という言葉が出てきたことで得かどうか分からなくなってしまったそうです。
総務省のポータルサイトでは、
「ふるさと納税とは、自分の選んだ自治体に寄附(ふるさと納税)を行った場合に、寄附額のうち2000円を越える部分について、所得税と住民税から原則として全額が控除される制度です(一定の上限はあります。)」
と記載されています。
つまり、ふるさと納税は、厳密には各自治体への「寄附」であり、その寄付金額に応じて税金が還付・控除(減額)される仕組みです。
例えば、寄附をした金額が3万円の場合、自己負担額である2000円を引いた2万8000円が税控除を受けられる金額になります。
そうなると、「やっぱり2000円分損しているのでは?」と感じるかもしれませんが、寄附先の自治体によっては2000円分以上のお礼の品(返戻品)がもらえるため、「ただ普通に2万8000円税金を払うだけ」よりもお得ということになります。
返礼品を選ぶときに、生活必需品でかつ「普通に買っても2000円以上はする」というものを選ぶと、実質自己負担ゼロといえるかもしれませんね。
予備知識その1 「私はいくらまで?」ふるさと納税の上限額
ふるさと納税で控除される対象は所得税・住民税です。
これらの税金は、年収や世帯構成等により変わるため、ふるさと納税として寄付できる金額も人それぞれ違います。
ここでは、該当者数が多そうな「独身または共働き世帯」のふるさと納税上限額(年間)の目安をみてみましょう。
ふるさと納税を行う本人の給与収入別ふるさと納税上限額(年間)の目安
300万円:2万8000円
325万円:3万1000円
350万円:3万4000円
375万円:3万8000円
400万円:4万2000円
425万円:4万5000円
450万円:5万2000円
475万円:5万6000円
500万円:6万1000円
525万円:6万5000円
550万円:6万9000円
575万円:7万3000円
600万円:7万7000円
625万円:8万1000円
650万円:9万7000円
675万円:10万2000円
700万円:10万8000円
725万円:11万3000円
750万円:11万8000円
775万円:12万4000円
800万円:12万9000円
825万円:13万5000円
850万円:14万円
875万円:14万5000円
900万円:15万1000円
925万円:15万7000円
950万円:16万3000円
975万円:17万円
1000万円:17万6000円
(出典)総務省「ふるさと納税のしくみ 税金の控除について」より引用
※住宅ローン控除や医療費控除など、他の控除を受けていない給与所得者のケースを紹介していますので、自分のふるさと納税できる上限額を正確に知りたいという方はシュミレーションサイトを活用してみてください。
予備知識その2 確定申告不要!「ワンストップ特例制度」
ふるさと納税がお得なことが分かっても、「税金の控除を受けるための確定申告がめんどくさい・・・・・・」と気が乗らない方もいらっしゃるかもしれません。
「めんどくさい」のパワーはあなどれませんから、特に会社員や公務員のように、これまで確定申告とは無縁だった方にとっては大きなハードルになります。
そんな給与所得者のために創設されたのが、「ふるさと納税ワンストップ特例制度」です。
ふるさと納税を行う際に「ワンストップ特例制度を適用して寄附をする」を選択すると、寄附先の自治体から寄附金の証明書と一緒にワンストップ特例申請書が送られてきますので、必要事項を記入して送り返すだけで確定申告が不要になります。
この申請書の提出期限はふるさと納税を行った年の翌年1月10日です。
期限を過ぎてしまうと確定申告が必要になりますので、12月ギリギリにふるさと納税をする場合などは気をつけましょう。
「ふるさと納税ワンストップ特例制度」利用の必要条件は3つだけ!
- 1年間で寄附したふるさと納税先の自治体の数が5団体以内であること
- 寄附をした自治体すべてにワンストップ特例の申請書を提出する
- ふるさと納税以外に確定申告をする事柄がない給与所得者であること
※6団体以上の自治体に寄附をした方や、医療費控除など「ふるさと納税以外」の事柄で確定申告を行う必要がある方は、ワンストップ特例制度を利用できません。
予備知識その3 返礼品は「計画的」に受け取ろう
「面倒な確定申告もいらないなら、今年こそはふるさと納税デビューしたい!
と思ったら、早めに取りかかりたいのが返礼品選びです。
年末になってあわててふるさと納税をすませる方も多いのですが、返礼品には各自治体の魅力的な特産品が並んでいますので、意外と目移りしてしまいます。
また、特産品には「旬の食材」も多く、「年○回お届け」のように同じ商品が何度かに分けて届くものもあります。
返礼品毎に必要な寄附金額が設定されていますので、例えば5000円ずついろんな自治体に寄附することで日本各地の特産品のバリエーションを楽しむのもよし。寄附時期をズラして毎月定期的に返礼品が届くようにするもよし。
我が家では年数回受け取りのお米を主軸に、旬の果物やお肉を受け取っています。
ふるさと納税で受け取る返礼品で日々の食費を減らすこともできますし、お家に旬の食材が届くわくわく感も楽しめます。
せっかくのふるさと納税ですから、限られた寄附金上限の中で計画的に返礼品を楽しみたいですね。
お得な制度を、賢く使う。
ちなみに、ワンストップ特例を使いふるさと納税をした分の税控除は、翌年の住民税から控除(減額)されます。
そのため、「ふるさと納税=節税」ではなく、税金の前払いになります。
お得な制度には変わりありませんが、節税をしたい!という方はiDeCo(イデコ:個人型確定拠出年金)や生命保険料控除が使える保険商品などを検討されるとよいかもしれません。
iDeCoや保険は少しハードルが高いかも・・・と感じていらっしゃる方は、お金のプロに相談してみることもお勧めです。
参考資料
尾崎 絵実
