今日から8月。8月15日(金)は公的年金の支給日です。
老後の年金に対する不安の声は高まる一方ですが、いまのシニア世代は公的年金だけで生活できているのでしょうか。
本記事では、いまのシニア世代の暮らしぶりについて「貯蓄状況、就業率、年金受給額」から考察していきます。
1. 【貯蓄】「世帯主が65歳以上のシニア世帯」の貯蓄額はどれくらいあるのか
総務省統計局「家計調査報告(貯蓄・負債編)-2024年(令和6年)平均結果-(二人以上の世帯)貯蓄の状況」を参考に、「世帯主が65歳以上」のシニア世帯の貯蓄事情について確認していきましょう。
世帯主が65歳以上の二人以上世帯の平均貯蓄額と中央値は、以下のとおりです。
- 平均値 2509万円
- 貯蓄保有世帯の中央値 1658万円
なお、貯蓄額が4000万円以上の世帯は20.0%を占めています(グラフ)。
- 100万円未満:8.1%
- 100万円以上~200万円未満:3.6%
- 200万円以上~300万円未満:3.1%
- 300万円以上~400万円未満:3.6%
- 400万円以上~500万円未満:3.3%
- 500万円以上~600万円未満:3.3%
- 600万円以上~700万円未満:2.9%
- 700万円以上~800万円未満:2.8%
- 800万円以上~900万円未満:3.3%
- 900万円以上~1000万円未満:2.5%
- 1000万円以上~1200万円未満:4.8%
- 1200万円以上~1400万円未満:4.6%
- 1400万円以上~1600万円未満:5.1%
- 1600万円以上~1800万円未満:3.3%
- 1800万円以上~2000万円未満:3.3%
- 2000万円以上~2500万円未満:7.4%
- 2500万円以上~3000万円未満:5.8%
- 3000万円以上~4000万円未満:9.4%
- 4000万円以上:20.0%
一方で、貯蓄額が500万円に満たない世帯は21.7%を占めています。
2025年4月以降、高年齢者雇用安定法の改正により、企業は希望する労働者に対して65歳までの雇用確保が義務化されました。
これにより、シニア世代が働き続けやすい環境が整備され、「定年後も働く」という選択肢がより現実的なものになりつつあります。
現役世代にとっても、将来の働き方や収入の在り方を考える上で、こうした制度の変化を知っておくことは重要です。
次章では、実際にシニア世代がどのように就労しているのか、就業率や働き方の実態をデータとともに見ていきましょう。