2021年4月、改正高年齢者雇用安定法のスタートにより、「70歳までの就業機会確保」が各企業の努力義務となります。
さらに、2022年4月からは年金改正法の施行により、老齢年金を受け取り始める年齢の上限が70歳から75歳にまで引き上げられます(現行は70歳まで)。
多様化する60代以降のライフスタイルは、今後さらに個人差が出ていくことが考えられますね。
さて「働き続ける」「セカンドライフを楽しむ」いずれの道を選んだ場合も、私たちの多くは、60代を境にガラッと生活環境が変わる、ということは確かでしょう。
長寿時代を安心して過ごすためには、健康、そしてお金がとても大切です。
今回は、『定年前後「50代~70代」ホントの貯蓄額はどう動く』と題し、還暦前後のお金事情、とりわけ50代、60代、70代以上の「純貯蓄額」にフォーカスしていきます。
50代~70代以上「貯蓄額」はどう動く?
さいしょに、金融広報中央委員会が公表した最新版「令和2年(2020年)家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査]」から、世代別の貯蓄がどのくらいかみていきましょう。参考として「全世代」と、「40歳代」の金額も併記します。
世代別「金融資産保有額」(金融資産非保有世帯も含む)
(参考)全世代・・・平均1436万円:中央値650万円
(参考)40歳代・・・平均1012万円:中央値520万円
50歳代・・・平均1684万円:中央値800万円
60歳代・・・平均1745万円:中央値875万円
70歳以上・・・平均1786万円:中央値1000万円
「平均」と「中央値」
中央値は数値を小さい順、あるいは大きい順に並べた時、真ん中に位置する数値を表します。
平均は、もちろん参考となる値ですが、一部の極端に大きい値に左右されるため、実感とかけはなれた数値になってしまうことがあります。よって、中央値の方が実勢により近い数値といえます。
次では貯蓄とセットで考える必要がある「負債(借入額)」についても、世代ごとに整理していきます。