2021年1月下旬に、日産が契約社員を正社員転換する旨が複数メディアで報じられました。契約社員は契約期間があらかじめ決められている契約形態であり、契約期間の定めがなく、無期雇用となる正社員への転換は、労働者から見ると一定のメリットがあります。日産の直近の業績を確認し、本件が今後の戦略にどのように影響が出うるかを解説します。
日産の業績を見る
日産の直近の業績(2021年3月期第Q3累計・2020年4月1日~2020年12月31日)を確認します。
- 売上高:5兆3174億円(対前年同期比▲29.2%)
- 営業利益:▲1316 億円(赤字転落)
- 経常利益:▲2163億円(同上)
- 親会社株主に帰属する四半期純利益:▲3677億円(同上)
上記の通り、直近は営業赤字の状態です。
特に気になったのが、2020年Q2累計決算書の特別損失の項目です。決算書からそのまま抜き出してみます。
<2019年4月1日~2019年9月30日の特別損失>
- 固定資産売却損:3,237百万円
- 固定資産廃棄損:6,141百万円
- 特別退職加算金:6,129百万円
- その他:5,421百万円
- 合計:20,928百万円
<2020年4月1日~2020年9月30日の特別損失>
- 固定資産売却損:443百万円
- 固定資産廃棄損:2,637百万円
- 特別退職加算金:53,985百万円
- 新型コロナウイルス感染拡大による操業停止等に伴う損失:41,972百万円
- その他:7,867百万円
- 合計:106,904百万円