12月は年末に向けて支出が増えやすく、シニア世帯でも光熱費・食料品の値上がりが家計を直撃する時期です。
特に65歳以上の無職夫婦世帯では「日々の生活費がどれほど必要なのか」「年金と貯蓄で十分にまかなえるのか」が気になる方も多いでしょう。
実際、総務省の調査では高齢者世帯の半数以上が「生活が苦しい」と答えており、物価上昇が続く今、家計の見直しは避けて通れません。
本記事では、年齢別の年金平均額(国民年金・厚生年金)、貯蓄の内訳、そして無職夫婦世帯の家計収支の実態を整理しながら、「どれくらいの支出が標準なのか」をわかりやすくまとめます。
年末の今だからこそ、ご自身の家計状況を見直す材料として、ぜひ参考にしてみてください。
1. 高齢者世帯の55.8%は「生活が苦しい」と回答している現実
年金の支給日前後には、高齢者世帯の生活をクローズアップした報道がされがちです。往々にしてネガティブな内容が多く、「年金だけでは生活できない」という方向性で伝えられています。
実際に、厚生労働省「2024(令和6)年 国民生活基礎調査の概況」によると、全体で55.8%が「生活が苦しい」と感じる結果となっています。
ただし、現在の年金受給世帯は現役のころに専業主婦世帯だったケースが多く、年金額がそもそも少ない事情を織り込む必要があります。現在の現役世代の多くは共働き世帯であり、将来は二人分の厚生年金を受給できるケースが増えるでしょう。
これから年金生活を迎える方は、感情ではなく数字で分析することが大切です。実際の年金受給額を把握し、現在の家計状況から老後の生活費をイメージしたうえで、対策を考える必要があります。
