新型コロナウイルス関連の操業停止による損失は、全企業共通のものなので致し方ないですが、この「特別退職加算金」の大幅な増加については、決算短信中には特段説明がありませんでした。

「特別退職加算金」とは、会社からの勧奨や指名によって退職した従業員に対して支払われた退職金のうち、割増部分を管理するための勘定科目でもあるので、通常の退職では増加しない項目です。実際にどのような変化が会社内で起きているのかは興味が残るところです。

また、日本政策投資銀行が2020年5月に決めた日産自動車への融資に1300億円の政府保証(過去最高額)を付けていたという報道もありました。本件は日産・日本政策投資銀行双方の公式発表がなく、日本経済新聞などのメディア報道のみですが、気になる情報ではあります。

正社員化によって待遇はアップするのか

「正社員転換」の件についても、複数のメディアが報じているものの、日産の公式サイトのプレスリリース・採用サイトで公表されていません。

したがって、外部から確認できる情報からだけでは「範囲・時期・基準は正確にははっきりしていない」と判断せざるを得ません。

なお、参考までに複数のメディアが報じている情報を総合すると、おおよそ下記の範囲になります。

  • 国内拠点で事務職に従事する全契約社員800人弱が対象
  • 2021年4月1日付で転換
  • 工場の期間従業員は含まない