老後の資金計画を左右する「退職金の制度の有無」
ここまでの数字をみて、「退職金が2,000万円に届かなかったとしても、きっと老後の生活費の足しなる程度の金額はもらえるだろう」と楽観視された方がいらっしゃるかもしれません。
ここでちょっと注意が必要です。
民間企業におつとめの場合、「退職時に必ず退職金が手に入る」とは限らないのです。
厚生労働省の「平成30年就労条件総合調査 結果の概況」(2018年)では、退職給付制度がある企業は80.5%であると示されています。つまり、「退職金の制度」そのものがない企業もある、ということ。
退職給付制度がある会社の割合を、企業規模別でみると以下のようになります。
- 1,000人以上・・・92.3%
- 300~999人・・・91.8%
- 100~299人・・・84.9%
- 30~99人・・・77.6%
企業規模が小さいほど退職給付制度がある会社の割合が減っていることが分かりますね。
そのなかでも、以下の産業は退職給付制度がない企業が多い傾向があります。
- 宿泊業、飲食サービス業・・・59.7%
- 生活関連サービス業、娯楽業・・・65.3%
- サービス業(他に分類されないもの)・・・68.6%
「勤務先の退職金制度について詳しく知らない」という人は少なくありません。いま一度、お勤め先に退職金制度があるのか、ある場合は、定年退職時にどのくらいの金額を受け取ることができそうか、を早い段階で把握しておきましょう。