筆者のまわりには律義で義理堅く、真面目で働き者の友人や知人が多く、それが筆者の自慢でもあります。本来ならば、彼女たちの人生や将来にとって有利にはたらくはずのその性格が、職場環境や家庭環境、人間関係のせいで仇となり、メンタル崩壊に至ったケースもあります。

そこで今回は、辛い経験をした彼女たちが語る「生活に疲れを感じたら本気でやめてほしいこと」と「ターニングポイントだと感じた瞬間」について、ケース別に紹介します。

Aさん・40代女性・元医療事務員

周囲が辞めて残業続きになった

Aさんは、入院・リハビリテーション施設のある病院で医療事務の仕事をしていました。自宅から近いことや中学からの知り合いで仲の良い先輩も同じ病院に勤めていたことから、最初は楽しく働いていたそうです。

しかし、仕事に慣れてきた頃には仕事を教えてくれた先輩たちはほとんど残っておらず、残業続きの過酷な労働環境を目の当たりにしたのでした。誰か1人でも辞めれば、業務が立ち行かなくなるという状況のなか、1人2人と従業員が体調不良などで休むようになり、責任感の強いAさんが率先してカバーすることに。

1日平均16時間、ほぼ休みなく働き、タイムカードは規定の時間分しか押さずに3年ほど働いたある日、出勤しようと思うと動悸が激しくなり動けなくなったのです。

「このままでいいのかな?」と疑問に思った

「ほかの従業員が1人2人と体調不良で休んだり辞めたりして自分の勤務時間が延び、疲れも溜まっていったとき、『このままでいいのかな?』という疑問はありました」とAさんは言います。「振り返ってみると、このあたりがターニングポイントだったのではないかと思います。当時も「しんどい」「もう限界」と思うことが何度もありました。」