「公務員」と聞くと、安定している職業、というイメージを多く持たれるのではないでしょうか。
会社が倒産の心配がなく、毎月安定した給与を受け取れるというのは公務員という職種の魅力の一つと言えるでしょう。
特に不景気の時は、安定している上に民間企業よりもたくさん給与をもらっているというイメージを持たれることも多いかと思います。
私は大学卒業後、金融機関に勤務経験があり、FPの資格を持つファイナンシャルアドバイザーとして、多くの方のファイナンシャルプラニングに関わってきました。
そこで今回は、公務員の平均給与額について、民間企業と比較しながらみていきたいと思います。
民間企業の平均給与額はいくらか
まずは、民間企業の平均給与額についてみていきたいと思います。
国税庁の「令和元年(2019年)分民間給与実態統計調査」によると、民間企業に勤める会社員の平均年収は436万4千円です。このうち平均給与・手当額が366万1千円で、平均賞与額が70万3千円です。
この平均給与額を月給に換算すると月平均30万5083円となります。
しかし民間企業の会社員と言っても、大企業から中小企業まであり、企業の事業規模によって平均給与額は異なりますが、今回はこの平均値を元に公務員の平均給与月額と比較していきたいと思います。
地方公務員の平均給与額はいくらか
それでは地方公務員の平均給与額についてみていきたいと思います。
公務員の中でも私たちの身近な存在である地方公務員ですが、総務省公表の「平成31年地方公務員給与の実態(2019年)」によると、地方公務員の中でも一般行政職の平均給与月額は以下の通りです。
地方公務員(一般行政職)の平均給与月額(諸手当を含めない)
- 都道府県:32万5365円
- 指定都市:31万9895円
- 市:31万6496円
- 町村:30万2587円
- 特別区:30万4486円
地方公務員(一般行政職)の平均給与額(諸手当を含む)
- 都道府県:41万2987円
- 指定都市:43万6783円
- 市:40万1621円
- 町村:36万571円
- 特別区:42万7789円
諸手当を含む平均給与月額を見ると、民間企業の平均値より多いことがわかります。
手厚い諸手当も、公務員の大きな魅力の一つと言えそうですね。
また、これだけを見ると自治体の規模別に見てもあまり大きな差はないように思いますが、地方公務員の給与はそれぞれの都道府県・市区町村によって異なります。
ちなみに東京都の平均給与額(諸手当を含めない)は314万5千円(年間)、月給に換算すると26万2千円なのに対し、山梨県の小菅村は236万2千円(年間)、月給に換算すると19万7千円となり、同じ地方公務員と言っても月給に大きな差があると言えます。
国家公務員の平均給与はいくらか
続いて国家公務員についてみていきたいと思います。
人事院勧告の「令和2年(2020年)国家公務員給与等実態調査」によると、国家公務員の平均給与月額は一般行政職員等で40万8868円(諸手当含む)となり、諸手当を含まない平均俸給額は32万7564円です。
国家公務員の場合は職員の職種によって平均給与額が異なります。
例えば同じ行政職でも技能・労務職員は32万8862円(諸手当含む)に対し、航空管制官、特許庁の審査官等は44万6847円(諸手当含む)となり、月給で10万円以上の差があります。地方公務員も自治体によって月給額が異なるのと同様に、国家公務員も職種によって月給額が大きく異なることがわかります。
お金持ちになるかどうかは私たちの準備次第
ここまで民間企業と公務員の月給額を比較してきましたが、もちろん公務員の中でも堅実に貯蓄をしている人と贅沢に給与を使っている人など、様々です。
月給が多いと貯蓄に回すお金が増えますので無理なく貯蓄ができそうですが、独身なのか家族持ちなのかによって毎月の出費がかわってくるため、一概に月給が多い人がたくさん貯蓄をしているとは言えません。
そのため、私たちの準備次第で、老後お金にゆとりを持って暮らしていけるかどうかが決まるとも言えます。
毎月あまり貯蓄に回せない、という人は、一気にお金を増やすことが難しいからこそ、長い時間を掛けて増やしていく努力が必要です。
とは言え、最近の銀行預金の金利はほぼ無いに等しいため、今からコツコツ将来のためにお金を増やしていきたいという人は、資産運用の力を上手に活用するといいでしょう。
おわりにかえて
民間企業の会社員にも、公務員にも平等に老後はやってきます。
今回は平均月給額で比較しましたが、退職金を考えると、公務員は退職金制度が手厚く用意されているのに対し、民間企業は、会社によっては退職金制度が無い企業もたくさんあります。
また、公務員でも中途採用で入職した人は、勤務年数によって退職金額が変わるため、老後は退職金さえあれば万全というわけではありません。
ここで重要なことは、老後お金持ちでいられるかどうかは、私たちの準備次第という点です。月給が多い職種の人でも、50歳代を過ぎてから老後の準備をしようと思うと難しいかもしれませんが、一方で月給が平均値より少ない人でも、早い段階からコツコツ資産運用をしながら積立てていればゆとりのある老後を迎えることができます。
その鍵を握るのはやはりリスクを味方につけた資産運用です。
老後に不安があるという人は、これを機に投資信託や保険商品を活用した資産運用を検討してみてはいかがでしょうか。
