働き盛りで、収入も増加する傾向にある50代。しかし、定年までのカウントダウンが始まっていることもそろそろ意識し始める時期です。厚生労働省の2019年「国民生活基礎調査」(各種世帯の所得等の状況)で50代の平均所得をみると、全世代中最も高い756万円であることが分かります。

そんな50代は、一般的にどのくらい貯蓄があるのでしょうか。そして、老後に向けて今からできる準備についても考えていきましょう。

貯蓄と負債、50代のリアル

収入は上がっても、住宅ローンや子どもの教育にもお金がかかる50代。そんな50代のお金に関するリアルに迫ってみましょう。金融広報委員会「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査](令和元年)」より、50代の貯蓄と負債について確認してみます。

【世帯主の年齢50歳代】金融資産保有額
平均1,194万円(中央値600万円)
※金融資産非保有世帯:21.8%

【世帯主の年齢50歳代】借入金残高(借入金がある世帯)
平均:1,210万円(1,000万円)
※住宅ローン残高:1,070万円(950万円)

平均貯蓄額は1,000万円を越しているものの、住宅ローンなど大きな負債も抱えていることが分かりますね。また、同調査で借入金がある世帯を対象に「借入の目的」をきいた結果では、「住宅の取得・増改築など(67.0%)」が最も多く、「耐久消費財の購入(26.0%)」「こどもの教育・結婚資金(21.6%)」と続きます。

平均収入は高いものの、貯蓄にまわす余裕はほとんどない現実がうかがえるのではないでしょうか。これには不安定な雇用体制や晩婚化など、さまざまなライフスタイルの変化も影響していると考えられています。