老後必要になる資金はいくら?
『老後2000万円問題』が表面化した「金融審議会 市場ワーキング・グループ報告書」には、世帯主が65歳を迎えた無職夫婦世帯が老後を過ごすうえで、20年で1,300万円、30年で2,000万円の取り崩しが必要になると記載されています。また、生活保険文化センターの「令和元年度 生活保障に関する調査」によると、夫婦がゆとりある老後を過ごすためには、月額で約36万円必要であるそうです。
しかし、老後に必要なのは今までのような生活に関わるお金だけではありません。病気やケガ、介護などのリスクも考えなければならないでしょう。『老後2000万円問題』の取り崩し費用のなかには、老人ホームなどの介護費用や住宅リフォーム費用は含まれていません。前述の生活保険文化センターのデータによると、過去5年間の入院経験は高齢になるほど高くなり、直近の入院日数は50歳代で平均15.2日、60代だと19.0日であるそうです。
同データで入院時の自己負担費用をみてみると、1日平均23,300円。もちろん支払額は年齢や内容によって個人差がありますが、そうした出費が増えることも考慮しておかねばならないでしょう。